「方便法身尊像」とは、浄土真宗の本尊である阿弥陀如来を絵で表したものです。時代が新しくなるにつれ、頭光(ずこう:背後に放射状に放たれた光明)の本数が増える特徴があります。
この画像は、本紙約88.5センチ、横35.5センチに阿弥陀如来が描かれており、画絹(がけん)の裏側に金箔を押して本像をかたどる裏箔という技法が使われ、表面は金泥などで装飾されています。本尊の描き方や、頭光の本数が少ないことなどから、製作されたのは応永年間(1394~1427年)頃と推定されています。この画像は、現在の国府別院の場所にかつてあった愛宕宝持院の所蔵と伝えられています。