この阿吽一対の狛犬は、像高がそれぞれ40センチ(阿形像)、45センチ(吽形像)、ヒノキ材を用いた一木造で、二体とも後肢(うしろあし)を曲げ、前肢を伸ばして背中を少し丸めて威嚇する様子で座っています。作られた当初は彩色が施されていたと思われますが、剥落により、今は木地のままとなっており、表情などはわからなくなっています。両像とも鎌倉時代後期の制作と考えられています。
伝来は不明ですが、越後一宮居多神社を守護するために安置されてきました。同神社は、もとは居多ヶ浜の身輪山にありましたが、慶応2年(1866年)、海岸の浸食によって境内が崩壊したため、明治12年(1879年)に現在地へ移りました。