西横山の小正月行事は、桑取谷の西横山集落に伝わる小正月行事で、1月11日から18日までの期間、集落をあげて行われます。行事の始まりは明確ではありませんが、一連の行事を通じて水田耕作に関した文言が多いことから、農耕儀礼に由来する行事と考えられています。
1月11日の朝のワカギムカエに始まり、14日の夜にはトリオイなどが、15日の昼にはヨメイワイなどが行われ、15日夜のサイの神のオーマラで最高潮に達します。1月14日夜に行われるトリオイは、子どもたちが主役の行事です。集落の白山神社に集まった子どもたちは、親方を先頭に太鼓の調子に合わせ鳥追い唄を大声で唱えながら桑取川に架かる橋に向かい、橋の真ん中で太鼓と大声で集落内の鳥を追い払います。帰りは追い払った鳥が戻ってこないように静かに神社に戻り、これを夜がふけるまで何度も繰り返します。一方、15日夜に行われるサイの神のオーマラは大人たちが主役の行事で、男性たちが「オーマラ オーマラ」と声を上げながらオガラで作った松明で互いの頭を叩き回り、家内安全、子孫繁栄、五穀豊穣を祈ります。