この像は、像高19.8センチ、ヒノキ材の一木造で、細かく彫りだされた螺髪(らほつ)があり、耳たぶも大きく、豊かな頬の肉づきで、柔和な温相を表しています。室町時代の制作と考えられています。
本像は稱専寺(しょうせんじ)の寺宝として代々伝えられてきました。寺伝では、もともとは当市三和区の五十君神社境内の一二木寺(じょんのきてら:同社の神宮寺と考えられます。)にありましたが、お告げを受けた神官により稱専寺へ移されたといいます。稱専寺に移ってからは、住職が厨子を背負って信徒の布教に回ったものと伝えられています。
昭和48年10月4日に旧安塚町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。