この槍身は、35.3センチの茎(なかご:刀身のうち柄に収まる部分)に「春日山住 兼則」の作者銘が刻まれています。銘にある兼則は、室町時代の美濃(現在の岐阜県)出身の名工で、天文年間(1532年~1554年)に春日山に移住したと考えられています。春日山城では、景勝屋敷の南側に上屋敷が与えられ、そこで作刀にあたっていたと伝えられています。社伝では、直峰城主吉田周防守英忠の奉納とされています。戦国時代の制作と考えられています。
昭和48年10月4日に旧安塚町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。