この鍔は、長径7.3センチ、短径6.9センチのやや楕円形で、明治40年(1907年)頃、直峰城跡二の丸の畑から耕作中に発見されました。鉄製の刀の鍔で、5か所に透かしが設けられ、その隙間に4人の武将と浜千鳥が彫刻されており、源頼朝と平氏との間で争われた石橋山の合戦をモチーフにしていると考えられます。
切羽台(せっぱだい:鍔の中央にある切羽を納める部分)に「宗典」と作者銘が陰刻されており、作風からも江戸時代中期に活躍した藻柄子宗典の作品と比定することができます。
昭和48年10月4日に旧安塚町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。