この青銅鋳造製の鐘は、昭和55年(1980年)、浦川原区法定寺字西谷にあった明堂跡から出土しました。高さ34センチ、口径23センチで、「喚鐘」(かんしょう)と呼ばれる梵鐘の小型のものです。
寺院の堂内や軒下に吊り、片手に撞木(しゅもく:木槌)を持って鐘身の中ほどにある撞座(つきざ:鐘を打つ場所)を打ち、音を出します。法会や勤行などの際に、僧侶らを集合させたり、儀式の開始などの合図のために打ち鳴らす場合が多いです。
撞座に施された蓮華文に、室町時代の特徴が表れています。
平成8年12月24日に旧浦川原村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。