浦川原区の月影地区に伝わる月影雅楽は、元は同地区の谷集落に伝わった谷の雅楽です。明治のはじめにできたという谷の雅楽は、年々盛んになり、明治20年頃には他村からも仲間が加わって、高田別院や長野の善光寺などでも演奏されました。しかし、第二次世界大戦が始まると演奏者が軍隊に招集されるなどして演奏ができなくなり、昭和25年にはついに途絶えてしまいました。その後、雅楽の復活を願った地元の人によって若い後継者の育成が図られましたが、過疎が進むこの地では容易なことではありませんでした。地元の月影小学校(平成13年廃校)児童の参加をきっかけに「月影こども雅楽」ができ、その後「月影雅楽保存会」が結成され現在にいたっています。烏帽子と伝統的な管方装束(かんかたしょうぞく)を着て、太鼓や笛、笙により雅楽を奏でます。
平成16年3月24日に旧浦川原村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。