(1) 木造迦哩迦尊者像(写真1枚目)、(2) 木造金毘羅大権現像(写真2枚目)
(3) 木造蘇頻陀尊者像(写真3枚目)、(4) 木造那伽犀那尊者像(写真4枚目)
(5) 木造木喰上人像(写真5枚目)
木喰が日本全土遍歴の折り、大島区大平の大安寺を訪れ、文化2年(1805年)4月から5月中旬にかけて制作した彫刻群です。いずれも、イチョウ材を用いて尊像と台座が彫られています。
(1)木造迦哩迦尊者像は、像高67センチで、頭巾をかぶり、両眼を丸く見開いて前を見すえ、口を真一文字にむすんでいます。上半身裸形の若々しい姿で、両手は胸前で合掌しており、岩の上に腰をかけ、太くたくましい両脚をまっすぐ下におろしています。
(2)木造金毘羅大権現像は、像高36.9センチで、頭巾をかぶり、眉根をひそめて眼を見開いており、眉、眼、数珠は黒色に、口は朱色に彩色されています。左手に数珠を持ち、裸足でどっしりと岩の上にすわっています。岩座には墨で模様が描かれています。
(3)木造蘇頻陀尊者像は、像高65.5センチで、丸顔で大きな耳をしており、両眼をとじ、慈悲に満ちた微笑みをうかべています。岩の上に腰をかけた倚像で、両手を衣の中に入れて胸の前でそろえています。
(4)木造那伽犀那尊者像は、像高65センチで、めずらしい横向きの倚像です。顔は丸く、眼・眉は山なりで頬はふっくらと高く、にこやかな表情をうかべています。合掌する手を衣につつみ、天を仰ぎ見るような姿です。
(5)木造木喰上人像は、像高65センチで、眼を細めて優しい微笑みをうかべており、眉・数珠は黒色に、口は朱色に彩色されています。あごには長いひげをたくわえ、片肌をぬぎ、右手に数珠を持っています。木喰の自刻像は全国でも数例しか確認されておりません。
いずれの像も、昭和49年9月11日に旧大島村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。