この像は、像高77.1センチ、スギ材の寄木造で、漆箔が施されています。肉付きのよいどっしりとした姿が印象的で、印を結んだ手指の間には明瞭な水かき状の膜が確認できます(縵網相・まんもうそう)。これは仏が広く人々を救うために持つ身体特徴の一つです。平成5年(1993年)の調査によって、像内に墨書が発見され、天文5年(1536年)に「大仏師周防」によって制作されたことが確認されました。制作年と制作者名がそろって判明した貴重な作例です。
大光寺は吉川区東鳥越にある真言宗の寺院です。慶長5年(1600年)の越後遺民一揆の後、真言宗の弾圧が行われたことによって伽藍は破壊され、その後小堂を建立して、本尊を安置したと伝えられています。
昭和50年1月13日に旧吉川町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。