この袈裟は、曹洞宗・雲門寺を創建した住職である瑚海仲珊の七条袈裟と伝えられています。蓮の糸で織られ、しぼりと摺り箔(すりはく:金箔を用いた衣類の装飾)の部分は、全国的にも数少ないとされる「辻が花染め」とよばれる技法でできています。袈裟には稲の刺繍も施されており、一緒に伝来する袈裟を入れる袋(附納入袋)には、五七の桐や孔雀が刺繍されています。制作年代は不明ですが、安土桃山時代の特徴がみられます。
雲門寺は、長享2年(1488年)に京都相国寺の万里集九が越後を訪れた際、直江津の安国寺・至徳寺とともに越後の三代名刹と讃えています(「梅花無尽蔵」)。
昭和50年1月13日に旧吉川町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。