これらの出土品は、昭和61年(1986年)の八幡遺跡の発掘調査で出土しました。
八幡遺跡は吉川右岸の自然堤防に立地する遺跡で、この調査では古代・中世の遺物が出土し、溝や土坑などの遺構が確認されました。遺物は主に古代(平安時代)の土師器や須恵器、中世の珠洲焼などの日用品で占められていますが、畿内や東海地方で生産された平安時代の緑釉陶器10点と灰釉陶器4点(試掘調査出土のものを含めると総数7点)が出土しています。
緑釉や灰釉といった、いわゆる施釉陶器は、中国産の輸入陶磁器(青磁・白磁)を模倣した国産高級品で、貴族や寺社、富裕な農民層に珍重されました。
昭和62年3月30日に旧吉川町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。