この二基の五輪塔は、それぞれ高さ68センチと高さ88センチで、いずれも室町時代の制作です。
五輪塔は、密教で説かれる地・水・火・風・空という、世界を構成する5つの要素(五大)をそれぞれ方・円・三角・半月・如意珠(にょいしゅ)の形で象徴したものといわれています。
(写真左)永禄十一年銘五輪塔:一材の石から五輪を刻み込んで仕上げた、いわゆる一石五輪塔で、福井産の笏谷石製です。地輪部分に「永禄十一年 龍勝禅定門 十一月廿九日」と刻まれています。
(写真右)元亀二年銘五輪塔:六地蔵と阿弥陀三尊が浮彫りされた宝筐印塔の塔身と思われる石材を五輪塔の地輪に転用し、その上に火輪と風・空輪を組み合わせています(水輪が欠失しています)。地輪の一面には「元亀二年 法印賢永大和尚位 七月廿日」と刻まれています。笏谷石製です。
昭和57年1月28日に旧吉川町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。