(写真1)
(写真2)
(写真3)
これらの土偶は、昭和40~42年(1965~1967年)の湯の沢B遺跡の調査で表面採取(地表に現れている土器などの遺物を拾うこと)された資料です。
(写真1)
土偶の頭部片で、残存する大きさは、高さ5.5センチ、幅4センチです。
斜めにのびた首に顔面が接合するタイプのもので、顔の形は顎のやや尖った卵形です。顔面に数条の沈線文(ちんせんもん:木や竹を用いて直線や曲線を描いた文様)を左右対称に施しています。これらの特徴から縄文時代晩期から弥生時代初頭に東北から中部・北陸地方にかけて分布する有髯土偶(ゆうぜんどぐう:ひげのある土偶)と考えられています。県内では本資料をふくめて数例しか発見されていません。
(写真2)
土偶の胴部上半の破片で、残存する大きさは、高さ5センチ、幅は6センチです。
表面に粘土粒を2つ貼り付け胸の表現がなされ、裏面には沈線文が施され、水銀朱が塗られています。文様の表現や胎土(たいど:焼き物の原料となる土)が「写真3」(脚部片)の土偶と似ていることから、同一個体の可能性があります。文様や形状から、縄文時代中期のものと考えられています。
(写真3)
土偶の胴部下半~脚部片で、残存する大きさは、高さ4センチ、幅は3センチです。
2条単位の沈線文が施され、足裏には水銀朱が塗られています。「写真2」と同一個体の可能性があります。
昭和47年8月22日に旧中郷村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。