この墓は、高さ95センチ、幅50センチで、自然石の前面に「壱岐文弥墓」と記されています。裏面には「紀州三重県下鵜川原村 父 壱岐文太夫 長男 明治十一年八月二十四日没す」と記されており、明治時代の制作であることが分かります。
壱岐文弥は伊勢国(現在の三重県)出身で、伊勢神宮の御札を奉じて諸国をまわっていたとき、片貝村に立ち寄り永住した人物です。文弥は寺子屋で地域の子どもや大人に文字を教える傍ら、伊勢神道の布教にも尽くし、伊勢先生と親しみをもって呼ばれたとされます。
昭和49年2月8日に旧中郷村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。