この石仏群は、石造の阿弥陀如来立像(未指定)と33個の石龕(せきがん:石で造られた厨子)に浮き彫りされた観音菩薩像から構成されており、針観音堂に安置されています。石龕は、それぞれ高さ約55センチ、幅約40センチとほぼ同一の大きさで、福井県産の笏谷石(しゃくだにいし)製です。正面に像高約20センチほどで、千手観音や如意輪観音など33種の変化(へんげ)観音像が陽刻されています。室町時代の制作と考えられています。
縁起によると、江戸時代に、土地の人が「大熊川湖畔の西芝原(熊川耕地)にたくさんの観音様がうずもれているから早く掘り出してくれ」と同じ夢を3回も見たので、掘り起こしたところ、阿弥陀仏と33軀(く)の観音像が出現したといわれています。
浄土宗の廃寺を観音堂に改修して祀り、33年に一度御開帳が行われています。
最近では平成30年(2018年)に開帳されました。
昭和49年8月1日に旧板倉町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に認定されています。