この文書は、「算術秘伝」4巻、「道中先触」1通、「道中人馬賃銭払帳」1綴からなります。江戸時代から明治時代のものと考えられています。「算術秘伝」は、初代伝授者から「安原長三郎信浄」に至るまでの10人に伝授され、これが系統的に記述されています。「道中人馬賃銭払帳」には、上原能登(1837~1893年)が京都土御門を出発してから57か所の宿場を経由して頸城郡中條村に帰村するまでに支払った宿料などが記録されています。上原能登は、京都学問所「土御門殿」に入門し学術を修め、帰郷後は自宅で塾を開いて広く学問を奨めました。さらに明治になってからは櫛池村初代村長を務めました。
昭和61年3月27日に旧清里村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。