この地蔵は、全高58センチ、幅34センチで、旧三和村の東南部山間地から切り出された軟質の大光寺石とよばれる石材で作られています。制作年代は不明です。
風化がかなり進んでおり、右肩からひび割れています。干ばつに苦しむ人々が雨乞いを祈願したものですが、その儀礼は、この地蔵を池畔に引き出し罵声を浴びせ、池に放り投げるというものです。「雨を降らさないといつまでも池の泥の中に入れておくぞ」と罵声を浴びせて数人がかりで地蔵を池に投げ込み、地蔵役の人が「雨を降らすから上げてくれ」といい、地蔵を引き上げます。地蔵を溜池に投げ込んでしまう祈願の儀礼は大変珍しいもので、奇祭として知られています。同様の祭りは同区井ノ口でも行われています。
平成15年5月20日に旧三和村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。