東飛山にある、石油を汲み取った井戸の跡です。市内では、現在の板倉区・清里区・牧区などで江戸時代後半から石油井戸が掘られ、明治時代にはその技術が市域全体へ広まり、名立区でも瀬戸や東飛山で油田が拓かれました。最盛期には、30基近い井戸の櫓が建っていたとされています。
東飛山油田の石油発掘は、明治11年(1878年)に採掘を始め、明治18年(1885年)には年間産油量1,530キロリットルを記録し、明治20年代に最盛期を迎えました。しかし、その後は枯渇してしまい、現在はその石油井戸跡のみが、当時の繁栄と石油産業の歴史を物語っています。
平成5年2月22日に旧名立町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。