この文書は、10,875点から成る、福永家に伝来した史料群です。近世から近代にかけての直江津を中心とした地域の豊かな歴史像を知ることができます。福永家は、近世において今町(現在の直江津)の大肝煎を長く務め、廻船問屋、酒屋等を営み、明治維新以後も11代弥兵衛が戸長等を務めるなど、直江津の政治・経済の中枢となる家柄でした。
近世の福永家文書は、今町の町政に関する文書と福永家の「家」に関わる文書に大別されますが、前者が大半を占めています。町政に関する文書は文政8年(1825年)12月の火災によって一部が焼失したものの、迅速な対応により持ち出された文書が現在まで残っています。また、長州戦争への動員や東征軍の受入れに関する文書等、幕末維新期の史料も充実しています。
近代の文書としては、明治前期の直江津の行政と、それに関わる荒川橋の架橋・港湾整備・今町病院の設立等、地域の近代化の過程が窺える史料が多くあります。