浄興寺2世の善性が所持していたと伝えられる宝珠文刺衲袈裟並に横被
浄興寺2世の善性(ぜんしょう)が所持していたと伝えられる袈裟で、鎌倉時代以前の数少ない古袈裟の一つとして、たいへん貴重な遺品とされています。
僧侶の装束である袈裟は、小さく切断した布を縫い合わせて作られます。いくつかの小さな布を縦に繋いだものを条と呼び、これを横に何条か縫い合わせて作ります。この袈裟は、もともと9条であったものを7条に変えたものと伝えられています。
条の部分は、木蘭色(もくらんじき:染色の名前。木欄で染めた、わずかに赤みのさす灰黄色)の平絹の地に、紫・藍・朱で大小の宝珠や火焔の文様をちりばめています。葉(よう:小さな布の繋ぎ目部分に配した布)の部分は、経糸(たていと)を木蘭色の絹糸、緯糸(よこいと)を地織りの木綿の太糸として、花形などの文様を織り出しています。宝珠の裏には、墨書の梵字(ぼんじ)がみられるほか、「左第三ノ一」「左第三」などの文字も見られます。
この袈裟は、服飾史のみならず、染色資料としてもたいへん価値の高いものとして注目されています。
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