上杉謙信が寄進したといわれている梵鐘
浄興寺に伝わるこの梵鐘は、高さ115.6センチメートル、口径74センチメートルで、寺伝では上杉謙信が寄進したものといわれています。無銘のため、制作者や制作年代が不明でしたが、長岡市の妙音寺にある梵鐘(享徳4年(1455年)、県指定文化財)との類似が指摘されており、同年代の同系の大工による制作とみられています。
鋳造技術が優れており、格式ある中央(京)の鋳物師(いもじ)の手法を残しており、長岡市妙音寺梵鐘と比較研究することで、越後の金工史の変遷と制作技術の受容の過程を知ることのできる、大変貴重な遺品です。
ちなみに、県内で文化財に指定されている梵鐘は国指定で2口、県指定では4口ありますが、このうち3口が上越地域に伝来しています。