写真左側:金銅五鈷鈴・銅舌共 写真右側:銅五鈷杵
五鈷杵(ごこしょ)、五鈷鈴(ごこれい)はともに密教で用いられる法具です。五鈷杵は先端のとがった部分、鈷(こ)が五つある金剛杵(こんごうしょ)のことで、金剛杵とは古代インドの武器を模したもので修行者の身を護るものとして、手に持ち修行を行います。鈷の数により、独鈷杵(どっこしょ)、三鈷杵(さんこしょ)、五鈷杵などと呼びます。
また、五鈷鈴は、握り手の部分が五鈷杵の金剛鈴(こんごうれい)で、こちらも、握り手の鈷の数により、独鈷鈴(どっこれい)、三鈷鈴(さんこれい)、五鈷鈴(ごこれい)といった種類があります。金剛鈴は密教の仏を象徴するものとして、修行の際に実際に鳴らして使用されます。
この金銅五鈷鈴及び銅五鈷杵は大正5年(1916年)に、法定寺下屋敷で水田の開墾中に村人によって発見されたものです。
五鈷鈴は全長18センチメートル、口径7.76センチメートルで、鈷の張り、握り手の蓮弁、鬼目(きもく:金剛杵中央の盛り上がった部分)、鈴身をめぐる紐飾りなどに古代ほどの厳しさはありませんが、全体の形から、鎌倉時代に鋳造されたものと考えられています。
銅五鈷杵は、全長14.8センチメートル、鈷幅4.15センチメートルで、全体の形からみて、五鈷鈴と同じく鎌倉時代に鋳造されたものと考えられています。