高校生が自分自身の食に関心を持ち、食生活や生活の多様化に対応した自分にあった食生活・生活習慣を選択し実行できるよう、食育について意識向上を図ることを目的に事業を実施しました。
高校生を対象とした食育事業(市主催)
令和6年度事業内容
新潟県立高田商業高等学校
講義:食の大切さについて、将来の健康な食生活について(食品の選択など)
- 日時:令和7年1月9日(木曜日)午後2時25分から3時15分
- 場所:県立高田商業高等学校 多目的室
- 講師:上越市 健康づくり推進課 平林管理栄養士
(1)健康な状態とは
- 血液がサラサラな状態は健康的であるが、油分や糖分を多く摂取すると血液がドロドロになり、動脈硬化を引き起こす。その結果、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な疾患につながる可能性がある。
- 若いうちから正しい食生活を心がけることが、健康な体の維持に不可欠である。
(2)体が必要とする栄養量について
- 高校生にとってもカルシウムの摂取は重要である。ただし、過剰摂取には注意が必要である。
- 野菜の摂取は積極的に行い、水溶性ビタミンなどは野菜から摂るとよい。
(3)ダイエットについて
- まずはBMIなどを用いて自分の適正体重を知ることが大切である。
- 炭水化物に含まれる糖質には「単純糖質」と「複合糖質」があり、単純糖質は急激に吸収されるため血糖値が急上昇し、眠気を引き起こす場合がある。
- 朝食を抜くと昼食後に血糖値が急激に上がるため、「3食しっかり食べる」「決まった時間に食べる」ことが重要である。

事業の成果
- 健康な体の状態、正しいダイエット、朝食の重要性について理解を深め、将来の健康的な食生活の基礎を学ぶ機会となりました
講義:子どもの食生活、高齢者の食生活について
- 日時:令和7年1月15日(水曜日)午前8時50分から9時40分
- 場所:県立高田商業高等学校 多目的室
- 対象:県立高田商業高等学校 3年生
- 講師:上越市 健康づくり推進課 長谷川主任
(1)子どもの食生活について
- 10歳までは味覚を育てる時期であり、成長に応じて油ものや肉類などを適切に食べさせることが重要である。
- 味覚には2種類あり、赤ちゃんは母乳やミルクなど「生まれつき好む味」から始まり、その後、野菜の苦味や酸味のある離乳食へと進む。繰り返し食べることで、徐々に慣れてくる。
- 味付けにも注意が必要で、発達途中の子どもの腎臓を守るためにも、塩分摂取量は目標量を下回るようにする必要がある。特に上越市では大人の塩分摂取量が多いというデータもあり、子どもの味付けにも気を付ける必要がある。
(2)高齢者の食生活について
- 40歳以降は身体機能の維持と低下予防が重要となる。若い頃と同じような食生活を続けると、脳卒中など重大な疾患のリスクが高まる。
- 血管のつまりを防ぐには野菜の摂取が有効である。
- また、高齢者は転倒による骨折リスクがあるため、若いうちからカルシウムの摂取を心がける必要がある。

事業の成果
- 子どもや高齢者の食生活の特徴と必要な配慮について学び、現在の食生活が将来の健康に直結することを理解する機会となりました。
講義:上越の郷土料理について
- 日時:令和7年1月21日(火曜日)午前11時50分から12時40分
- 場所:県立高田商業高等学校 多目的室
- 対象:県立高田商業高等学校 3年生
- 講師:信田 紘基 氏(「YAGAIYA郷土料理と旬の小料理」代表、栄養士、上越の郷土料理レシピ本「レシピ遺産」著作)
(1)上越の郷土料理について
- 郷土料理は手間がかかるため、作られなくなってきている。今のうちにレシピを残さなければ、食文化が途絶えるとの危機感から、上越の郷土料理レシピ本「レシピ遺産」を作成した。
- このレシピは、桑取谷の80歳の女性の知恵を基にしている。
- 二十四節気とは1年を24等分した季節の区分で、農業の暦としても利用されており、旬の食材を知る手がかりとなる。
- 春は、山菜を春に食べることで、体のデトックスの効果があると言われている。
- 郷土料理の「のっぺ」は、一度にたくさんの食材が食べられる。それぞれの地域で、特徴をもっているものとなっている。
- 郷土料理を守っていくには、地域の食材を守っていかなければならない。地元の農業者と連携して行っていくことが重要である。

事業の成果
- 上越の郷土料理だけでなく、地元の食材も守っていくことも大切だと理解を深め、地域の食文化を受け継ぐことの重要性を確認することができました。
調理実習:上越の郷土料理について 牛乳パックを使って「押し寿司」づくり
- 日時:令和7年1月15日(水曜日)から17日(金曜日)午前10時50分から12時40分
- 場所:県立高田商業高等学校 調理室
- 対象:県立高田商業高等学校 2年生
- 講師:NPO法人食の工房ネットワーク 齊京 貴子 氏
(1)講師挨拶
- 今日は、郷土料理の「押し寿司」の作り方を教える。炒り卵やひじきの煮ものなど今後も役に立つものを作る。
- 今回は鍋でご飯を炊く。災害時などで炊飯器を使えないこともあるので、ぜひ、覚えていってほしい。



事業の成果
- 多くの生徒が炊飯器ではなく鍋を使って炊飯するなど、災害時でも有効な調理方法を学ぶことができました。
- 上越の郷土料理について知ってもらう機会とすることができました
新潟県立吉川高等特別支援学校
事業概要
- 目的:卒業後の一人暮らしに向けて、自宅にある食材を使用し、自分で調理する力を身に付ける。
- 日時:令和6年7月16日(火曜日)午後1時から2時35分
- 場所:吉川高等特別支援学校 家庭科室
- 講師:信田 紘基 氏(「YAGAIYA郷土料理と旬の小料理」代表、栄養士、上越の郷土料理レシピ本「レシピ遺産」著作)
内容
1. 講義
(1) 人工甘味料について
- ガムを例に、人工甘味料を摂取したときの体内での反応について説明。
- 糖を分解するインスリンが分泌されたにも関わらず、分解する糖がないと、脳は「もっと甘いものを食べたい」と感じ、依存につながる。
- 甘いものの食べすぎは肥満につながる。
(2) 食品の選び方について
- 商品のパッケージに注目すると、成分や産地が書いてあるほか、製造した人の思いなども読み取ることができる。
- 地元の上越でとれた食材は、安くて新鮮なので、積極的に選んでほしい。

2. 調理のデモンストレーション
食材を炊飯器に入れてご飯と一緒に炊き込むだけで作れる手軽な自炊メニュー(炊き込みご飯2種類)を紹介。
コンビニ食材などを活用することで簡単に作れるほか、野菜やきのこなどを加えると、栄養バランスの偏りも防ぐことができる。

事業の成果
- 食品の選び方などの講義や簡単な調理方法の見学を通じて、栄養バランスのとれた食事や上越産の食材を選ぶ大切さについて理解を深めてもらうとともに、自立後の食生活への不安の軽減につなげることができました。
令和5年度事業内容
新潟県立高田南城高等学校(3年生)対象事業
事業概要
- 目的:上越地域に伝わる郷土料理の作り方を学ぶとともに、卒業後の一人暮らしに向けて、自分で調理する力を身に付ける。
- 日時:令和5年7月24日(月曜日)午前9時から11時45分
- 場所:高田城址公園オーレンプラザ 調理実習室
- 講師:NPO法人食の工房ネットワーク 齊京 貴子 氏
内容
1. 講師挨拶
- 卒業後、一人暮らしをする人を始める人も多いと思う。外食やコンビニなどでの食事ばかりでなく、ぜひ自炊にも挑戦してほしい。
- また、上越以外の場所での生活を始める人もいると思う。地元の料理の話を通して会話が生まれることもある。今日は上越の郷土料理である「押し寿司」の作り方を教えるので、ぜひ作り方を覚えて帰ってほしい。
2. 調理実習
- 講師が作業工程を説明し、各班ごとに工程に従って調理を進めました。

- 押し寿司の具材、ご飯は各班の人数で等分します。

- 笹を間にはさみながら、ご飯と具材を交互に牛乳パックに詰めていきます。

- 上からしっかり押したら、牛乳パックから取り出し、完成です。

事業の成果
- 炊飯器ではなく鍋を使って炊飯する方法や、炒り卵を作るコツなど、普段の調理でも使える知識を学んでもらうことができました。
- 上越の郷土料理について知ってもらう機会とすることができました。
令和4年度事業内容
新潟県立高田農業高校 生物資源科森林資源コース(2年生)対象事業
事業概要
- 目的:森林資源コースの生徒が、課外授業として、上越地域の山菜の活用や郷土の食文化について理解を深める。
- 日時:令和4年5月12日(木曜日)午前9時から12時20分 (1時間目から3時間目)
- 場所:西吉尾地内、平左衛門カフェ(横畑524)
- 講師
- 信田 紘基 氏 (YAGAIYAオーナー、栄養士、上越の郷土料理レシピ本「レシピ遺産」著作)
- 松川 奈々子 氏 (かみえちご山里ファン倶楽部)
- 山口 ユキ 氏 (桑取フレッシュ生産組合、上越の郷土料理レシピ本「レシピ遺産」料理制作)
内容
1. ウドの採取・手入れ体験(西吉尾地内)
(1) ウドについての説明
- ウドは新物が採れるまで塩蔵し、くわどり湯ったり村に年中出している。
- 他にも、わらび、ふき、あざみなどの山菜を同じく塩蔵にして出している。
- ウドの刈取り方法、雑草の取り方を説明。ウドを刈り取る際は、太い茎部分を残し、枝分かれしている部分に鎌を入れる。

2. ウドの試食・皮むき体験、講話(平左衛門カフェ)
(1) ウドの試食・皮むき体験
- 事業の前日に採取し、当日の朝ゆでて調理したウドを試食。
- 代表生徒が山口氏と信田氏の補助のもと、ウドの皮むきを体験。

(2)郷土料理、森林資源についての講話
- ウドはどんな漬け方にしてもよい。ペペロンチーノなどのスパゲッティーに合い、ニンニク料理にもよく合う。
- ウドの苦味は体によい。
- 今日食べたウドの味を「上越の味」として覚えておいてほしい。
- 上越には、ウドの他にも、採れる時期はそれぞれであるが、たけのこなどの山菜が色々採れる。
- 地元の人は皆、「山は宝」とおっしゃる。困った時には、すぐ食材を採ってくることができ、木も活用することができる。
- ウドのむいた皮は、きんぴらにして食べることができる。ウドは捨てるところが無い。
事業の成果
- 普段座学で学習している森林資源の内容について、課外授業を通して、実際に実物を目で見て学んでいる様子が見受けられました。
- コロナ禍において、これまで通り課外授業をすることが難しい中、桑取の自然を感じながら上越の山菜を採取するところから食するところまでを高校生に体験してもらい、山菜の活用方法やおいしさ、上越の食文化を知ってもらう機会とすることができました。
国立大学法人上越教育大学 委託事業
親元を離れるなど、近い将来、自立した食生活を送ることになる高校生を対象に、食の大切さを伝え、食育の実践につながる事業を、国立大学法人上越教育大学に委託し実施しました。
令和3年度事業内容
新潟県立高田高等学校(2年生)対象事業
昨年度に引き続き、特別授業(家庭科)「食育講座」として、食を通して「人間・環境・文化」を考え、自立へ向けて食生活への関心を高める内容を実施。
新潟県立高田農業高等学校(食品加工コース)対象事業
- 特別授業・講義「食育実践講座」(全学年対象)
- 市民向け「食育推進事業発表会」の開催(3年生対象)
報告書
上越市内高校生を対象とした食育実践事業報告書 [PDFファイル/2.39MB]
注)無断転載禁止
令和2年度事業内容
新潟県立高田高等学校(2年生)対象事業
特別授業(家庭科)「食育講座」として、食を通して「人間・環境・文化」を考え、自立へ向けて食生活への関心を高める内容を実施。
新潟県立高田農業高等学校(食品加工コース3年生)対象事業
- 特別授業・講義「食育実践講座」:高校生として身につけたい「食事力」
- 特別授業・グループ討議:一人暮らし生活の実情(大学生からの助言)、お弁当のコンセプト発表・討論
- 特別授業・校内実習:お弁当の調理実習
報告書
上越市内高校生を対象とした食育実践事業報告書 [PDFファイル/3.17MB]
注)無断転載禁止
令和元年度事業内容
新潟県立高田高等学校対象事業
- 1年生を対象とした特別授業「生活習慣病予防教室」
- クッキングクラブを対象とした料理教室「高校生が身につけたい食事力(実践編)」
- 男子バスケットボール部を対象とした料理教室「高校生が身につけたい食事力(スポーツ栄養編)」
新潟県立高田農業高等学校(食品加工コース3年生)対象事業
- 特別授業「高校生として身につけたい食事力」
- 特別授業「大学生・社会人から学ぶ食生活の知恵」
- 料理教室「高校生が身につけたい食事力(実践編「創造」)」
報告書
上越市内高校生を対象とした食育実践事業報告書(1から13ページ) [PDFファイル/3.54MB]
上越市内高校生を対象とした食育実践事業報告書(14から20ページ) [PDFファイル/2.37MB]
注)無断転載禁止