大量に生産され市場で流通する一般的な野菜に対し、地域の気候や風土に根ざして古くから栽培されてきた野菜が多くあります。これらの野菜は「伝統野菜」や「地方野菜」と呼ばれているが、生産に手間がかかることからしだいに生産が縮小してきました。伝統野菜は、その土地で採種を繰り返し、その土地の気候風土の中で育ってきたものです。
「上越野菜」振興協議会では、地場野菜のブランド化と消費拡大を図るために上越地域で古くから栽培されてきた伝統野菜(11品目)と一定の出荷量と品質を満たしている特産野菜(5品目)を上越野菜として認定しています。
かなり古い時代から栽培されており、謙信公もこの漬瓜を賞味されたという説もあります。こん棒状の果形が特徴で、奈良漬の原材料として定評があります。
天和三年(1683年)より生産されていると言われ、やわらかくて筋がなく風味が抜群です。明治時代には高田藩城主の目にとまり「献上生姜」として使用されました。
かつて上正善寺地区を中心に広く栽培されていましたが、根茎腐敗病の発生により生産量が減少しています。
昭和40年代に頸城区の吉田氏によって作られた品種で「ヨシダオクラ」とも呼ばれます。まがり果が少なく、さやは大きくなってもやわらか。密植が難しいため、収量が多くありません。
丸くふくらんだピーマン型のトウガラシ。「シシゴショウ」とも呼ばれ、早生で果皮もやわらかいです。
戦後の食糧難の時期にたくさん作られましたが、その数はしだいに減少。しかし、地域で昔作られていた品種を残そうという取組みにより、生産されるようになりました。スープやスイーツの材料にもよく合います。
19世紀末、中国から導入された「覚糸うり(かくしうり)」が「金糸うり」「そうめんうり」「なますうり」の名前で各地に散在されて栽培され始めたと言われています。茹でると中身がほぐれ、糸状になるのが特徴です。
まっすぐ植えた苗を途中で植え替え、斜めに伏せて育てます。立ちねぎよりも甘みが強いと言われています。
ズイキの名の由来には、臨済宗の僧、夢窓疎石がイモの葉の露を随喜の涙にたとえて詠んだ歌にちなむという説と、皮をむいて食べるのでイモの中心(髄(ずい))から出た茎という説もあります。乾燥させ、保存食にも用いられます。
9月に種を播き株を大きくして、そのまま雪の下にします。厳しい冬に雪の下でじっくり育ち、甘くやわらかくなって春を迎えます。上越市では春を告げる野菜としてとても人気があります。
古くから柿崎地区で栽培されていたまくわ。小さい玉型で、一口で食べられるくらいの大きさなので、一口まくわと言われています。皮が薄く、やわらかくて甘いのが特徴です。
越の丸なすは、直径10cm以上になるまでビニールハウスの中で大切に育てられています。色が濃く光沢があり、肉質が締まっているため、加熱しても煮崩れしにくく仕上がりがやわらかく、また甘みが強いのが特徴です。そのおいしさから「なすの大トロ」と呼ばれています。新潟黒十全は、巾着型をしており、やわらかく多汁質で甘味があり、食味・風味共に極めて良いので浅漬として最適です。
上越の冬を代表する野菜の一つです。コウサイタイとサイシンという菜花をもとに品種改良されたとう菜の一種で、とう立ちした茎葉とつぼみを食べる野菜として親しまれています。名前の通り食べたときの歯ごたえと甘い風味がアスパラガスと似ており、おひたしや和え物、炒め物にも使える、調理の幅が広い野菜です。
キャベツから改良された野菜で、ビタミンCや食物繊維が豊富です。独特の歯ごたえとくせのない味が特徴。上越地域で生産が拡大されています。
新潟県は全国1位の作付面積を誇り、上越地域では6~7種類が栽培されています。収穫したえだまめは高温で味が落ちるため氷水に晒しおいしさを維持して出荷しています。