日本におけるワイン醸造の基礎を築いた川上善兵衛が、ワインの醸造と貯蔵のために自ら研究を重ねて設計した石蔵です。明治31年(1898年)に完成しました。
石蔵の隣には、雪室(ゆきむろ)を設け、室からの冷気で石蔵内の温度を一定に保つよう工夫されています。また、8月から10月までの仕込み時期には発酵樽のまわりに雪柱を用いて発酵温度の一定化にも成功しています。これにより良質なワインの醸造が可能となりました。
川上善兵衛は、明治23年(1890年)に自宅の庭にぶどうを植え、ワインの醸造に取り組みました。
当時、日本のワイン醸造技術は手探りの状況で、いくつものワイン会社が醸造に失敗しましたが、善兵衛は、欧米の専門書をもとに、雪室を利用した石蔵によって、ワイン醸造を成功に導きました。