一本杖スキー術は、アルペンスキーの創始者マティアス・ツダルスキーがオーストリアのリリエンフェルト山中で研究考案したスキー術(リリエンフェルト式スキー術)で、急斜面を安全に滑り降りるための一本杖による姿勢の滑走法です。
日本へは、明治44年(1911年)1月12日、ツダルスキーの弟子で当時のオーストリア・ハンガリー帝国の軍人テオドール・エドラ―・フォン・レルヒ少佐によって伝えられ、ここ上越市において日本で初めてのスキー指導が行われました。これが日本のスキーの始まりとなりました。師団を中心とした組織的なスキー導入と民間への積極的な普及が図られ、山間部における郵便局員の集配や営林署員の樹木管理で利用されるなど、その利便性から雪国の生活に浸透していきました。一本杖スキー術は、金具の軽量・簡素化が図られたノルウェー式スキー(二本杖)の普及により次第に衰退しましたが、昭和38年にレルヒ少佐の直弟子や孫弟子らにより、レルヒの会が結成され、継承が図られています。