「生誕140年 小林古径の世界」チラシ [PDFファイル/14.91MB]
上越市出身の日本画の巨匠、小林古径(1883~1957年)は明治・大正・昭和へと移る激動の時代の中で、日本美術院をその活動の舞台として活躍しました。古径は写生を基とする中で、大和絵や琳派、日本の古画などを徹底的に研究し、近代的な感覚を取り入れて成熟させたいわゆる「新古典主義」と呼ばれる画境に到達して近代日本美術史における確かな足跡を残し、昭和25年(1950年)には新潟県人で初となる文化勲章を受章しました。
古径の画業は日本美術院展(院展)を作品発表の中心に置きながらも、さまざまな絵画団体等で作品を発表してきました。大作だけでなく小品に至るまで決して手を抜くことのない制作態度をもって臨み、美しい描線と色彩をまとった多くの作品を残しています。
本展覧会では、古径生誕140年を記念して、「芥子」や「竹取物語」などの代表作を中心として初期から晩年までの作品を展示し、古径の画業を回顧します。また、作品のほかにも関係資料や住宅、制作の場である画室にもフォーカスし、古径の芸術性と人となりをあわせて知っていただく機会とします。
令和5年(2023年)10月21日(土曜日)~11月19日(日曜日) 30日間
会期中無休
午前9時~午後5時
(注)庭園紅葉ライトアップ期間(11月11日~19日)は午後7時まで延長開館
区分 | 個人 |
団体(20名以上) |
---|---|---|
一般 | 700円 | 560円 |
小中高生 | 350円 | 280円 |
(注)幼児及び上越市内の小学生・中学生は無料
(注)障がい者手帳、ミライロID提示により半額
身体障害者手帳(1~3級)・療育手帳(A)の場合、介助者1名も半額
(注)年間入館券、5館共通入館券でも入館できます
「摂取」(明治43年)福井県立美術館蔵
「極楽井」(大正元年)東京国立近代美術館蔵
「竹取物語 昇天」(大正6年)京都国立近代美術館蔵
「芥子」(大正10年)東京国立博物館蔵
(Image:TNM Image Archives)
「旭陽」(昭和17年)個人蔵
「富士」(昭和19年)東京国立近代美術館蔵
「壺」(昭和25年)茨城県近代美術館蔵
「瓶花(スヰートピー)」(昭和27年)株式会社ジャパンヘルスサミット蔵
当館では古径作品のほかに身の回り品などの関係資料を収蔵しています。幼年誌の附録として作成したすごろくや半古塾生たちの寄せ描き、そして若き古径が独身時代に後の妻となる三好益へ宛てた書簡など、初期の画業や知られざる古径の素顔を知ることができます。また、今回は昭和25年(1950年)に受章した文化勲章をはじめ、古径が昭和32年(1957年)に没した際に日本美術院葬で前田青邨が読んだ弔辞などを展示します。
古径が家族にあてた絵はがき
当館敷地内には古径が東京大田区南馬込に建てた住宅が移築されています。この住宅(小林古径邸)は、建築家・吉田五十八が昭和9年(1934年)に設計した近代数寄屋建築であり、現在は国登録有形文化財となっています。吉田は住宅を設計する際に古径から「私が好きになるような家をつくってほしい」と一言だけ要望を受けて住宅を作り上げました。古径の人柄や芸術性を建築で表現したものと言っても過言ではないでしょう。
この建築物は古径の住宅としてだけでなく、吉田の初期の住宅例としても貴重な建築作品と言えます。また、古径邸に隣接して別棟の画室が再現されています。大正9年(1920年)から農家を画室として使用していたものを古径邸建築後の昭和11年(1936年)に吉田五十八が改造して現在の姿となりました。一度は取り壊されましたが、古径邸移築にあわせて写真や資料を基にして新たに画室がよみがえりました。
今回は古径作品とあわせてこの二つの建物を観覧することにより、古径の人となりや制作の様子を感じていただく機会とします。なお、画室には実際に古径が使っていた筆や絵皿などの画材を展示するとともに、乗り板や仮張り板、文机などを置き、制作の場としての雰囲気を感じられるようしつらえます。
申し込みが必要なイベント
申し込みが不要なイベント
申し込みの方法は「イベント申込方法」をご確認ください。
(注)午後5時30分から学芸員の展示解説を行います
各イベントの申し込みは9月15日(金曜日)から受付を開始します。
参加希望者は下記の必要事項をメールまたは電話でお伝えください
メールアドレス:kokei-koza@city.joetsu.lg.jp (迷惑メール防止のため、@を全角にしています。送信の際は@を半角にしてください。)
電話:025-523-8680
定員になり次第、受付を終了します。