梶田半古は、明治3年(1870)に東京で生まれ、はじめは浮世絵師の鍋田玉英に師事し、その後は独学で菊池容斎の『前賢故実』を始めとした古典絵画を学び、西洋画の影響を受けながら独自の画風を築き上げました。的確な写実に基づいた人物画や歴史画には洗練された気品が漂い、日本絵画協会などに出品された作品は数々の賞を受賞しました。また、半古は尾崎紅葉や徳田秋聲らの文学者とも交流があり、『讀賣新聞』の挿絵を担当して人気を博しました。
半古は明治26年(1893)頃から画塾を開き、門下生には小林古径や前田青邨、奥村土牛などが名を連ねました。塾での指導は多くの画家たちに影響を与え、後に近代日本画壇の代表格となる画家たちを輩出しました。
本展では当館コレクションを中核として、梶田半古から小林古径、奥村土牛へとつながる系譜をたどります。
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2025年(令和7年)10月4日(土曜日)から12月14日(日曜日)まで
月曜日(ただし、10月13日、11月3日、11月24日は開館)
10月14日、11月4日、11月25日
午前9時から午後5時まで
区分 | 個人 | 団体 | 障がい者手帳をお持ちの方と 介助者1名 |
年間入館券 | 5館共通入館券 |
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一般 | 510円 | 410円 | 260円 | 1,500円 | 1,000円 |
高校生 | 260円 | 210円 | 130円 | 700円 | 500円 |
小学生・中学生 (市外) | 260円 | 210円 | 130円 | 700円 | 450円 |
(注)5館共通券など、ほかの割引との併用はできません。
以下のいずれかに該当する方の入館料が半額となります。
(注)5館共通券など、ほかの割引との併用はできません。
以下のいずれかに該当する方の引率者・付き添い・介助職員については、入館料が無料となります。
梶田半古は、明治3年(1870年)に東京・下谷で生まれました。本名は錠次郎といい、梶田家は代々幕府の鷹匠を務めていましたが、錠次郎の父・政晴は彫金家を生業としていました。錠次郎は幼いころから絵に興味を持ち、13歳の頃から浮世絵師の鍋田玉英に師事して絵を学びました。その後、起立工商会社の仕事を通じて菊池容斎門下の鈴木華邨を知り、容斎に傾倒し『前賢故実』を独学で学びました。16歳の時には東洋絵画共進会に出品して褒状を受けるなど、若い頃から画才を発揮しました。半古は人物画を得意とし、古典絵画に裏打ちされながらも西洋画の影響を受けた気品あふれる作品を多く描きました。展覧会に出品する一方で、尾崎紅葉や徳田秋聲などの文学者とも交流を深め、『讀賣新聞』連載の挿絵などを手掛けるなど、挿絵画家としても半古の評価は高いものでした。本章では、当館所蔵の作品及び資料から梶田半古の作品を紹介いたします。
半古は明治26年(1893年)頃から画塾を開き、門人たちの指導を行っていました。明治32年(1899年)には小林古径、その2年後には前田青邨が入門し、明治38年(1905年)には奥村土牛が塾の門を叩くようになり、後の近代日本画壇を代表する画家たちを輩出しました。半古は大正6年(1917年)に47歳の若さで亡くなりました。この間、古径や青邨をはじめとする多くの画家たちに影響を与え、近代日本画壇の代表格となる画家たちを育成した半古とその塾の存在は、近代日本美術史上でも不可欠なものと言えるでしょう。古径は師から「写生」と「画品」について丁寧に、そして徹底的に指導を受けたと振り返っています。当館所蔵の素描作品群からは、古径が師・半古の作品を模写しながら学習した痕跡が多く見られ、この「写して学ぶ」学習によって絵画技術やその芸術性がかたちづくられたものと考えられます。本章では、古径による梶田半古作品の模写の展示を通じて、当時の半古塾での学習の様子を紹介いたします。
大正6年(1917年)、梶田半古は弟子たちに看取られて亡くなりました。亡くなる前、弟子たちは塾の隣に家を借り、垣根を取り払って交代で看病を行ったと言われています。また、半古が亡くなった際には、弟子一同で「梶田半古先生之碑」(小林古径揮毫)を染井霊園内に建立し(現在は小林古径記念美術館敷地内に移設)、亡き半古を偲びました。半古没後、古径は日本美術院展を中心に作品を発表し、横山大観や菱田春草に代表される初期日本美術院から続く第二世代として安田靫彦や前田青邨、速水御舟らとともに院展の中心的役割を担いました。また、土牛は古径の画室に住み込みで内弟子生活を送りながら研鑽を積み、徐々に土牛は写生を基本としながら透明度の高い色彩で高い精神性を感じさせる作品を描くようになり、古径や青邨らの後を受け継いで日本美術院を支える画家となりました。本章では、古径と土牛の作品を展示し、受け継がれる「半古の系譜」を紹介いたします。
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