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なつかしき表紙絵 玉井力三展 

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年6月22日更新

玉井力三展チラシ(画像)

「なつかしき表紙絵 玉井力三展」展覧会チラシ [PDFファイル/813KB]

 上越市出身の洋画家・玉井力三は、1908年(明治41年)、新潟県中頸城郡柿崎村(現・上越市柿崎区)に生まれました。幼い頃から絵を描くのが好きだった玉井は18歳の時、中村彝(つね)の作品を見て感銘を受け、画家を志します。1928年(昭和3年)には「太平洋画会研究所」に入所し、中村不折(ふせつ)に師事しました。翌年に描いた「三笠艦橋の図(みかさかんきょうのず)」(模写)を見ると、21歳にして相当の描写力、表現力を有していたことがわかります。戦時中は「新京美術院東京分室」に勤め、画家として軍部の仕事に従事しています。

 終戦後、玉井は作品発表の場を求めて、1947年(昭和22年)、洋画団体「示現会(しげんかい)」の立ち上げに加わります。一方でその翌年、「月刊讀賣」の表紙絵を手がけています。これを皮切りに表紙絵画家としての仕事は増え続け、特に学年誌と言われる子ども向け雑誌の表紙絵画家として活躍していくことになります。実に20年以上にわたり表紙絵を描き続け人々に親しまれた画家・玉井力三の仕事をふり返るとともに、洋画家として写実的な画風で一時代を築いた玉井の画業を紹介します。

 イベントの情報はこちら

会期

令和6年7月6日(土曜日)~9月1日(日曜日)

休館日

月曜日(祝日の場合はその翌日)

(注)8月13日(火曜日)は開館

開館時間

午前9時~午後5時

入館料

入館料

 
区分 個人 団体 障がい者手帳をお持ちの方と
介助者1名
年間入館券 5館共通入館券
一般 510円 410円 260円 1,500円 1,000円
高校生 260円 210円 130円 700円 500円
小学生・中学生 (市外) 260円 210円 130円 700円 450円

(注)7月20日(土曜日)は、「美術館ファミリー・デー」として、18歳以下の方および18歳以下の方と同伴するご家族2名が無料で入館できます。年齢がわかる証明書等をご提示ください。

  1. 団体料金は20名以上の場合、1名についての料金です。
  2. 幼児及び上越市内の学校に通う小学生・中学生は無料です。
  3. 入館料の減免につきましては、下記をご覧ください。

入館料の減免

20パーセント減免対象者

  • 「上越勤労者福祉サービスセンター」会員とその家族(会員証を提示ください)
  • 「八十二文化財団会員証」提示者および「八十二文化財団割引優待券」をお持ちの方

(注)5館共通券など、ほかの割引との併用はできません。

50パーセント減免対象者

以下のいずれかに該当する方の入館料が半額となります。

  • 「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」をお持ちの方。
  • 身体障害者手帳(1~3級)・療育手帳(A)をお持ちの方はその介助者1名についても同様の減免が適用されます。
  • 「Jネット会員証」提示者。
  •  スマートフォンで使える障害者手帳アプリ「ミライロID」(MIRAIRO ID)(福祉課)もご利用いただけます。

(注)5館共通券など、ほかの割引との併用はできません。

全額減免対象者

以下のいずれかに該当する方の引率者・付き添い・介助職員について、入館料が無料となります。

  • 身体障害者福祉法に基づく身体障害者更生施設、その他の福祉法に基づく福祉施設及びこれらに類する施設の入・通所者が責任者に引率されて入館する場合。
  • 介護保険制度の要支援認定者・要介護認定者が、介護業務を目的とする法人事業者に引率されて入館する場合。

展示構成と展示作品 (一部)

第1章 表紙絵画家として生きる

 虫取り、運動会、クリスマス、雪合戦3点リーダー。ずらりと並んだ絵には、季節ごとの行事を楽しむ子どもたちの姿が生き生きと描かれています。これらの作品は、上越市柿崎区出身の画家・玉井力三が「学年誌」表紙のために描いたものです。学年誌は、昭和40年代に全盛期を迎えた学年別学習雑誌の略称で、玉井は1954年(昭和29年)から約20年にわたって表紙絵を描きました。その人気ぶりは相当なもので、1959年(昭和34年)には小学館、講談社、学習研究社、主婦と生活社の4社が発行している雑誌に、1年で102点もの表紙絵を制作しています。生涯を商業美術家として過ごした玉井は、表紙絵自体は大変な人気を博しましたが、画家としての名前は、これまでほとんど知られないまま過ごされてきました。

 ここでは、玉井力三の表紙絵原画を当時の学年誌とともに展示します。また、どのように表紙絵が描かれたのか、その制作過程について紹介します。

 玉井力三「小学一年生」表紙絵原画、1964年11月号(個人蔵)(画像) 玉井力三「小学二年生」表紙絵原画、1970年1月号(個人蔵)(画像)

(1枚目)玉井力三「小学一年生」表紙絵原画、1964年11月号(個人蔵) (2枚目)玉井力三「小学二年生」表紙絵原画、1970年1月号(個人蔵)

第2章 学年誌の歴史とふろく

 昭和40年代に全盛期を迎えた「学年誌」のルーツは大正時代にさかのぼります。1922年(大正11年)、相賀武夫(おうが たけお)が東京・神田に「小学館」を創業し、同年9月に、世界でも類を見ない学年別学習雑誌「小學五年生」「小學六年生」10月号を発行しました。低学年向けの雑誌も次々と発刊され、1932年(昭和7年)には「子供園」「幼稚園」が誕生し、「子供園」から「小学六年生」まで、いわゆる「八大学習雑誌」が揃いました。ベビーブームの波に乗り学年誌の発行部数が伸びてくると、講談社や学習研究社など、各社が競い合う時期に入ります。中でも「ふろく」を魅力に読者の心を掴んだのが小学館でした。高度経済成長期に入ると、東京タワーや大阪万博模型などの時代を反映したものや、漫画やアニメのキャラクターが付いたものなど、豪華で多彩なふろくが登場します。

 ここでは玉井の活躍の場となった学年誌の歴史をふりかえるとともに、小学館の協力のもと、子どもたちに夢を与えた楽しい「ふろく」を展示します。

 東京タワー「小学二年生」ふろく、1968年9月号(小学館蔵)(画像) レコードセット「小学二年生」ふろく、1969年3月号(小学館蔵)(画像)

(1枚目)東京タワー「小学二年生」ふろく、1968年9月号(小学館蔵) (2枚目)レコードセット「小学二年生」ふろく、1969年3月号(小学館蔵)

第3章 洋画家としての顔

 幼い頃から絵を描くのが好きだった玉井力三は、18歳の時、中村彝の作品を見て感動し、画家を志します。昭和3年(1928)、20歳で「太平洋画会研究所」に入所し中村不折に師事しました。翌年に描いた「三笠艦橋の図」(模写)を見ると、若くして相当の描写力、表現力を有していたことがわかります。戦時中は「新京美術院東京分室」に勤め、画家として軍部の仕事に従事しています。

 終戦後、玉井は画家として再起を図ろうと、昭和22年(1947)、洋画団体「示現会」の立ち上げに加わります。商業美術家として、地元・柿崎と東京都を行き来し多忙な日々を送りながら、示現会展には数年おきに出品を続け、亡くなるまで創立メンバーとして在籍しました。晩年、玉井は柿崎で「北彩会(ほくさいかい)」という絵画サークルを主宰するなど、故郷の文化芸術の発展に貢献しました。

 ここでは、確かな描写力に裏打ちされたデッサンや油絵を展示し、玉井の画家としての側面を紹介します。

 玉井力三「椿咲く頃」(個人蔵)(画像) 玉井力三「姉妹」1973年(個人蔵)(画像)

(1枚目)玉井力三「椿咲く頃」(個人蔵) (2枚目)玉井力三「姉妹」、1973年(個人蔵)

展覧会関連イベント

展覧会に合わせ、さまざまなイベントを開催します。お気軽にご参加ください。

(注)状況により、イベントの日程・内容の変更や、開催が中止になる場合があります。

申し込みが不要なイベント

ちょこっとスライドトーク

玉井力三についてもっと知りたい方のため、スライドで30分間の解説をします。

  • 日時:7月7日(日曜日)午後2時~午後2時30分
  • 場所:二ノ丸ホール
  • 対象:どなたでも
  • 参加費:無料(要入館料)

申し込みが必要なイベント

各イベントの申込開始日以降、メールか電話にて、先着順で受け付けます。イベント名、お名前、住所、電話番号を明記してください。

メールアドレス:kokei-koza@city.joetsu.lg.jp(迷惑メール防止のため、@を全角にしています。メール送信時は@を半角にしてください)
電話番号:025-523-8680

トークイベント「我ら、玉井力三応援団感嘆符(見出し用)

商業美術家・玉井力三の仕事の全貌とその魅力について語ります。

  • 日時:8月3日(土曜日)午後2時~午後3時(午後1時30分開場)
  • 場所:二ノ丸ホール
  • 対象:一般(定員50名)
  • 講師:山下裕二氏(美術史家・明治学院大学教授)、徳山雅記氏(小学館ドラえもんルーム編集長)
  • 申し込み:7月9日(火曜日)より、メールか電話にて、先着順で申し込みを受け付けます。

ワークショップ「知る・観る・描く感嘆符(見出し用)​油絵の魅力を味わう」

油絵について知り、色味や質感を味わいながら描いてみます。

  • 日時:8月24日(土曜日)午前10時~午後3時
  • 場所:展示室・二ノ丸ホール
  • 対象:中学生以上(定員20名)
  • 講師:伊藤将和氏(美術家・上越教育大学准教授)
  • 材料費:1,000円
  • 申し込み:7月23日(火曜日)より、メールか電話にて、先着順で申し込みを受け付けます。