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生誕110年 濱谷浩展 人間と風土をみつめて

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年2月19日更新

「濱谷浩展」チラシ表(画像)

「生誕110年 濱谷浩展」チラシ [PDFファイル/2.38MB]

 人間と風土を見つめた写真家・濱谷浩の生誕110年を記念し、その作品と人生を振り返る展覧会を開催します。濱谷は1915年(大正4年)、東京の下谷に生れました。15歳の時、父の友人から贈られたブローニー判ハンドカメラに夢中になり、写真で身を立てる道を模索します。1939年(昭和14年)、24歳の濱谷はフリーのカメラマンとして高田連隊スキー部隊の取材で新潟県高田市(現・新潟県上越市)を初めて訪れ、豪雪の光景に衝撃を受けます。民俗学的視点から雪国の暮らしを取材するとともに、越後の芸術家や著名人の肖像を撮影しました。1954年(昭和29年)から取材を開始した写真集「裏日本」は、単なるノスタルジックな写真ではなく、フォト・ドキュメントの観点から地方をとりまく現状を鋭く切り取った作品として高く評価され、1960年(昭和35年)には、写真家集団「マグナム」のアジア人初の寄稿写真家となりました。晩年は世界に残された自然へと撮影対象を変え、氷河や山岳など、ダイナミックな大地の姿をカラーでとらえた作品へと展開していきました。この展覧会では、写真家としての一歩をこの上越市から踏み出し、世界的に著名となった濱谷浩の作品を一堂に展覧します。

「自写像」(写真)

 イベントの情報はこちらをご覧ください。

会期

2025年(令和7年)3月22日(土曜日)~​6月22日(日曜日)

休館日

月曜日、祝日の場合はその翌日

(注)観桜会期間中と4月28日(月曜日)~​5月6日(火曜日)は開館

開館時間

午前9時から(波)​午後5時

(注)4月1日(火曜日)~​4月13日(日曜日)は午後7時まで開館

入館料

入館料

区分 個人 団体 障がい者手帳をお持ちの方と
介助者1名
年間入館券 5館共通入館券
一般 510円 410円 260円 1,500円 1,000円
高校生 260円 210円 130円 700円 500円
小学生・中学生 (市外) 260円 210円 130円 700円 450円
  1. 団体料金は20名以上の場合、1名についての料金です。
  2. 幼児及び上越市内の学校に通う小学生・中学生は無料です。
  3. 入館料の減免につきましては、下記をご覧ください。

入館料の減免

20パーセント減免対象者

  • 「上越勤労者福祉サービスセンター」会員とその家族(会員証を提示ください)。
  • 「八十二文化財団会員証」提示者および「八十二文化財団割引優待券」をお持ちの方。

(注)5館共通券など、ほかの割引との併用はできません。

50パーセント減免対象者

以下のいずれかに該当する方の入館料が半額となります。

  • 「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」をお持ちの方。
  • 身体障害者手帳(1~3級)・療育手帳(A)をお持ちの方はその介助者1名についても同様の減免が適用されます。
  • 「Jネット会員証」提示者。
  • スマートフォンで使える障害者手帳アプリ「ミライロID」(MIRAIRO ID)(福祉課)もご利用いただけます。

(注)5館共通券など、ほかの割引との併用はできません。

全額減免対象者

以下のいずれかに該当する方の引率者・付き添い・介助職員については、入館料が無料となります。

  • 身体障害者福祉法に基づく身体障害者更生施設、その他の福祉法に基づく福祉施設及びこれらに類する施設の入・通所者を責任者が引率して入館する場合の引率者等。
  • 介護保険制度の要支援認定者・要介護認定者を、介護業務を目的とする法人事業者が引率して入館する場合の引率者等。

無料入館デー

  • 5月18日(日曜日)は、「国際博物館の日」として無料で入館できます。
  • 「高校生無料ウィーク感嘆符(通常)」として5月18日(日曜日)~6月1日(日曜日)は、上越市内の高校生および上越市在住の18歳以下の方は無料で入館できます。年齢がわかる証明書等をご提示ください。

協力

濱谷浩写真資料館

展示構成と展示作品(一部)

第1章 写真家を志す

 濱谷浩は15歳の時、父の友人からブローニー判ハンドカメラを贈られ、写真に夢中になります。旧制中学を卒業後、航空写真の会社を経てオリエンタル写真工業株式会社に勤務し写真技術を学びました。若き濱谷は当時海外から波及していたフォトグラムやフォトモンタージュ等の「新興写真」やシュルレアリスム芸術へ傾倒しつつも、活気あふれる銀座や浅草を撮り歩き、その風俗写真がグラフ雑誌に掲載されるようになります。これを機にフリーのカメラマンになった濱谷は、1939年(昭和14年)1月、高田連隊スキー部隊の取材で初めて高田を訪れました。東京と別世界のような豪雪の町に衝撃を受けた濱谷は、民俗学者・市川信次との出会いを機に、民俗学的な視点を持って雪国の暮らしにカメラを向けるようになりました。翌年からは桑取谷(くわどりだに)の小正月行事に取材した作品を撮り始め、のちに「雪国」という作品にまとめ大きな反響を呼びました。この章では写真家を志してからグラフ雑誌における写真家デビューを経て、主に高田時代に生まれた作品を紹介します。

主な作品:「雪国」、「終戦の日の太陽」、「学藝諸家」

「越後のオカカ」(写真)

第2章 フォト・ドキュメントの実践ハイフン、負符号日本から世界へ

 1952年(昭和27年)、37歳の濱谷は高田を離れ、神奈川県大磯に転居します。東京と地方の暮らしや文化の落差を痛感した濱谷は1954年(昭和29年)から日本海側の各地を3年にわたって取材し、「裏日本」シリーズとして発表しました。富山県の泥田に取材した「アワラの田植」が雑誌に掲載されると、その厳しい労働環境が問題視され県当局も動くなど反響を呼びました。やがて取材対象は海外に及び「見てきた中国」「アメリカン・アメリカ」などのシリーズを手がけます。1960年(昭和35年)、これまでの仕事が評価されアジア人で初めてマグナムの寄稿写真家となりました。海外では報道写真家として評価された一方、国内では日米安保闘争を取材した「怒りと悲しみの記録」発表を機に、表舞台と距離を置くようになりました。この章では、写真家としての核を固めていった1950年代から60年代にかけての仕事を振り返ります。

主な作品:「裏日本」、「アメリカン・アメリカ」、「見てきた中国」

「田植女」(写真)

第3章 自然との対峙・人間への回帰

 1972年(昭和47年)、57歳の時、濱谷はあさま山荘事件を機に、テレビの同時速報性に写真表現の限界を感じたといいます。「こうしてはいられない」という焦燥感にかられ、世界に残された大自然と対峙することを決意します。アイスランド、アラスカ、エヴェレストなどの辺境を命がけでめぐる取材を重ね、「地の貌(ちのかお)」シリーズとして発表しました。その後、撮影対象は自然から人間へと徐々に回帰していきます。1975年(昭和50年)、「中央公論」からの依頼により「昭和女人集」シリーズに着手、日本各地をめぐって時代性をはらんだ女性の姿を撮影しました。1981年(昭和56年)、日本芸術大賞受賞、1987年(昭和62年)には写真界のノーベル賞ともいわれるハッセルブラッド国際写真賞を受賞しました。世界的な写真家として評価される一方、各地で濱谷の展覧会が開催される中で、自らの作品をまとめる仕事にとりかかります。写真の記録性を重視した濱谷は、文化財として次世代へ引き継いでいくため、自宅敷地内に収蔵庫を建設し、作品と資料の整理に心血を注ぎました。人間と風土を見つめ、そして未来を見据え、自らの写真を世に問い続けた濱谷は、1999年(平成11年)、83歳で生涯を閉じました。

主な作品:「地の貌」、「昭和女人集」、「昭和男性諸君」

「ルメール海峡に迫る岩峰」(写真)

第4章 女人暦日

  60年にわたる写真家人生を共に歩んだ妻・朝をモデルに、四季折々の風習や習わしを記録したシリーズ「女人暦日(にょにんれきじつ)」を展示します。

「拝見」(写真)

展覧会関連イベント

展覧会に合わせ、さまざまなイベントを開催します。お気軽にご参加ください。

(注)状況により、イベントの日程・内容の変更や、開催が中止になる場合があります。

申し込みが不要なイベント

作品鑑賞会

当館学芸員の解説で作品を鑑賞します。

  • 日時:4月19日(土曜日)、5月11日(日曜日)いずれも午後2時から(波)​​3時
  • 場所:展示室
  • 対象:どなたでも
  • 参加費:無料(要入館料)

高校生無料ウィーク感嘆符(見出し用)

  • 期間:5月18日(日曜日)から(波)6月1日(日曜日)
  • 対象:上越市内の高校生および上越市在住の18歳以下の方は無料
  • 内容:写真ワークショップの中・高校生作品が展示される期間は、上越市の高校生および上越市内に在住の18歳以下の方の入館料が無料となります。

申し込みが必要なイベント

各イベントの申込開始日時以降、メールにて先着順で受け付けます。イベント名、氏名、住所、電話番号、写真ワークショップ希望の方は学校名・学年も明記してください。

メールアドレス:kokei-koza@city.joetsu.lg.jp(迷惑メール防止のため@を全角にしています。メール送信時は@を半角にしてください)

講演会「濱谷浩・人と作品」

  • 日時:3月22日(土曜日)午後2時から(波)​3時30分​
  • 場所:二ノ丸ホール
  • 定員:一般50名​
  • 参加費:無料(要入館料)
  • 講師:多田亞生氏(編集者、濱谷浩作品管理者)、齋藤尚明氏(陶芸家、二代陶齋)
  • 内容:第1部 多田亞生(ただ つぐお)氏「濱谷浩 写真の魅力」、第2部 多田亞生氏バツ・かける齋藤尚明氏「濱谷浩の高田時代」
  • 申し込み:3月4日(火曜日)午前9時よりメールで受付(先着順)

中・高校生のための写真ワークショップ

  • 日時:5月17日(土曜日)午前10時​から(波)​午後4時​
  • 対象:​中学生・高校生10名
  • 材料費:1,000円(入館料不要)
  • 講師:福山楡青(ふくやま ゆうせい)氏(写真家)
  • 内容:撮った写真でドキュメンタリー作品を作り、美術館内で小さな個展(5月18日から(波)​6月1日)を開催します。
  • 申し込み:4月15日(火曜日)午前9時よりメールで受付(先着順)