「生誕110年 濱谷浩展」チラシ [PDFファイル/2.38MB]
人間と風土を見つめた写真家・濱谷浩の生誕110年を記念し、その作品と人生を振り返る展覧会を開催します。濱谷は1915年(大正4年)、東京の下谷に生れました。15歳の時、父の友人から贈られたブローニー判ハンドカメラに夢中になり、写真で身を立てる道を模索します。1939年(昭和14年)、24歳の濱谷はフリーのカメラマンとして高田連隊スキー部隊の取材で新潟県高田市(現・新潟県上越市)を初めて訪れ、豪雪の光景に衝撃を受けます。民俗学的視点から雪国の暮らしを取材するとともに、越後の芸術家や著名人の肖像を撮影しました。1954年(昭和29年)から取材を開始した写真集「裏日本」は、単なるノスタルジックな写真ではなく、フォト・ドキュメントの観点から地方をとりまく現状を鋭く切り取った作品として高く評価され、1960年(昭和35年)には、写真家集団「マグナム」のアジア人初の寄稿写真家となりました。晩年は世界に残された自然へと撮影対象を変え、氷河や山岳など、ダイナミックな大地の姿をカラーでとらえた作品へと展開していきました。この展覧会では、写真家としての一歩をこの上越市から踏み出し、世界的に著名となった濱谷浩の作品を一堂に展覧します。
イベントの情報はこちらをご覧ください。
2025年(令和7年)3月22日(土曜日)~6月22日(日曜日)
月曜日、祝日の場合はその翌日
(注)観桜会期間中と4月28日(月曜日)~5月6日(火曜日)は開館
午前9時午後5時
(注)4月1日(火曜日)~4月13日(日曜日)は午後7時まで開館
区分 | 個人 | 団体 | 障がい者手帳をお持ちの方と 介助者1名 |
年間入館券 | 5館共通入館券 |
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一般 | 510円 | 410円 | 260円 | 1,500円 | 1,000円 |
高校生 | 260円 | 210円 | 130円 | 700円 | 500円 |
小学生・中学生 (市外) | 260円 | 210円 | 130円 | 700円 | 450円 |
(注)5館共通券など、ほかの割引との併用はできません。
以下のいずれかに該当する方の入館料が半額となります。
(注)5館共通券など、ほかの割引との併用はできません。
以下のいずれかに該当する方の引率者・付き添い・介助職員については、入館料が無料となります。
濱谷浩写真資料館
濱谷浩は15歳の時、父の友人からブローニー判ハンドカメラを贈られ、写真に夢中になります。旧制中学を卒業後、航空写真の会社を経てオリエンタル写真工業株式会社に勤務し写真技術を学びました。若き濱谷は当時海外から波及していたフォトグラムやフォトモンタージュ等の「新興写真」やシュルレアリスム芸術へ傾倒しつつも、活気あふれる銀座や浅草を撮り歩き、その風俗写真がグラフ雑誌に掲載されるようになります。これを機にフリーのカメラマンになった濱谷は、1939年(昭和14年)1月、高田連隊スキー部隊の取材で初めて高田を訪れました。東京と別世界のような豪雪の町に衝撃を受けた濱谷は、民俗学者・市川信次との出会いを機に、民俗学的な視点を持って雪国の暮らしにカメラを向けるようになりました。翌年からは桑取谷(くわどりだに)の小正月行事に取材した作品を撮り始め、のちに「雪国」という作品にまとめ大きな反響を呼びました。この章では写真家を志してからグラフ雑誌における写真家デビューを経て、主に高田時代に生まれた作品を紹介します。
主な作品:「雪国」、「終戦の日の太陽」、「学藝諸家」
1952年(昭和27年)、37歳の濱谷は高田を離れ、神奈川県大磯に転居します。東京と地方の暮らしや文化の落差を痛感した濱谷は1954年(昭和29年)から日本海側の各地を3年にわたって取材し、「裏日本」シリーズとして発表しました。富山県の泥田に取材した「アワラの田植」が雑誌に掲載されると、その厳しい労働環境が問題視され県当局も動くなど反響を呼びました。やがて取材対象は海外に及び「見てきた中国」「アメリカン・アメリカ」などのシリーズを手がけます。1960年(昭和35年)、これまでの仕事が評価されアジア人で初めてマグナムの寄稿写真家となりました。海外では報道写真家として評価された一方、国内では日米安保闘争を取材した「怒りと悲しみの記録」発表を機に、表舞台と距離を置くようになりました。この章では、写真家としての核を固めていった1950年代から60年代にかけての仕事を振り返ります。
主な作品:「裏日本」、「アメリカン・アメリカ」、「見てきた中国」
1972年(昭和47年)、57歳の時、濱谷はあさま山荘事件を機に、テレビの同時速報性に写真表現の限界を感じたといいます。「こうしてはいられない」という焦燥感にかられ、世界に残された大自然と対峙することを決意します。アイスランド、アラスカ、エヴェレストなどの辺境を命がけでめぐる取材を重ね、「地の貌(ちのかお)」シリーズとして発表しました。その後、撮影対象は自然から人間へと徐々に回帰していきます。1975年(昭和50年)、「中央公論」からの依頼により「昭和女人集」シリーズに着手、日本各地をめぐって時代性をはらんだ女性の姿を撮影しました。1981年(昭和56年)、日本芸術大賞受賞、1987年(昭和62年)には写真界のノーベル賞ともいわれるハッセルブラッド国際写真賞を受賞しました。世界的な写真家として評価される一方、各地で濱谷の展覧会が開催される中で、自らの作品をまとめる仕事にとりかかります。写真の記録性を重視した濱谷は、文化財として次世代へ引き継いでいくため、自宅敷地内に収蔵庫を建設し、作品と資料の整理に心血を注ぎました。人間と風土を見つめ、そして未来を見据え、自らの写真を世に問い続けた濱谷は、1999年(平成11年)、83歳で生涯を閉じました。
主な作品:「地の貌」、「昭和女人集」、「昭和男性諸君」
60年にわたる写真家人生を共に歩んだ妻・朝をモデルに、四季折々の風習や習わしを記録したシリーズ「女人暦日(にょにんれきじつ)」を展示します。
展覧会に合わせ、さまざまなイベントを開催します。お気軽にご参加ください。
(注)状況により、イベントの日程・内容の変更や、開催が中止になる場合があります。
当館学芸員の解説で作品を鑑賞します。
各イベントの申込開始日時以降、メールにて先着順で受け付けます。イベント名、氏名、住所、電話番号、写真ワークショップ希望の方は学校名・学年も明記してください。
メールアドレス:kokei-koza@city.joetsu.lg.jp(迷惑メール防止のため@を全角にしています。メール送信時は@を半角にしてください)