レルヒがスキーを伝えた当時は、女性がスポーツをするなどということは考えられない時代でした。師団長・長岡外史は、女性がスキーをすれば、ますます国民に広まるだろうと考え、自分や将校たちの家族にスキーの練習をさせました。
女性たちのスキー練習
1912年(明治45)1月21日、金谷山の近くで日本初のスキー競技会が行われました。レルヒが旭川に移る3日前のことです。この競技会には、レルヒをはじめ40人あまりが参加し、長岡師団長をはじめ300人のお客さんや多くの一般市民が応援にかけつけました。
当時の新聞は、選手が武者震いをしながらも、練習の成果を発揮した姿を伝えています。選手は滑ったあとに温かいスキー汁を食べながら、失敗談に花をさかせました。このスキー競技会の様子は、活動写真(昔の映画)によって日本全国に紹介され、上越がスキー発祥の地として知られるようになったのです。
スキー競技会に出場し、無事にゴールして、長岡師団長と握手する選手