ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

上越市

サイトマップ

背景色を変える

文字の大きさ

キーワードで探す

現在地トップページ > 上越市創造行政研究所 > 09 きのこ

09 きのこ

<外部リンク>
印刷用ページを表示する 掲載日:2025年11月1日更新

はじめに

 きのこは、日本全国でその気候・風土に合ったものが自生し、古くから森の恵み、秋の味覚として親しまれてきましたが、今日では栽培技術の進展・普及に伴い、約20種類のきのこが人工栽培されており、食材としていつでも手に入れることができます。

 きのこの生産量を品種別にみると、最も多いのは「えのきたけ」であり、以下多い順に「ぶなしめじ」「しいたけ」「まいたけ」などがあります。一部のしいたけなど原木栽培が行われているものもありますが、えのきたけやぶなしめじ、なめこなどは、ほとんどが工場での菌栽培で作られています。

 きのこの需要は、健康志向の高まりなどから比較的安定していますが、産地間競争や価格の上下変動が大きい産業でもあります。

きのこの品種別生産量の推移(全国)

全国のきのこの品種別生産量の推移グラフ(画像)

出所 農林水産省「特用林産物統計調査」をもとに作成

きのこの品種別生産割合(全国・2022年)

2022年全国のきのこの品種別生産割合グラフ(画像)

出所 農林水産省「令和4年特用林産物生産統計調査」をもとに作成

きのこの生産量(都道府県別・2022年)

2022年都道府県別きのこの生産量の棒グラフ(画像) 長野県が15.4万トンで1位、新潟県は9.8万トンで2位

出所 農林水産省「令和4年特用林産物生産統計調査」をもとに作成

このエリアにはどんな特徴があるの?

えのきたけの生産が盛ん

  • 生産量(2022年)は、長野県が全国1位、新潟県が全国2位、2県で全国の4分の3を占める。

  • 長野県内では北信・長野地域の生産量が8割強、新潟県内では十日町市をはじめ魚沼・上越地域が8割強を占める。特に市町村別では、中野市が全国1位とみられる。

ぶなしめじの生産が盛ん

  • 生産量(2022年)は、長野県が全国1位、新潟県が全国2位、2県で全国の6割を占める。

  • 長野県内では北信・長野地域の生産量が半数以上、新潟県内では魚沼地域が8割強を占める。特に市町村別では、南魚沼市が全国1位、中野市が全国2位とみられる。

市町村別のきのこ生産量 信越県境エリア

信越県境エリアの市町村別のきのこ生産量図(画像)

凡例

  • 生産量2021年
    凡例 きのこの生産量(画像)
  • 品目
    • 凡例(画像)地図内グラフのピンク色で示した品目 えのきたけ
    • 凡例(画像)地図内グラフの紫色で示した品目 ぶなしめじ
    • 凡例(画像)地図内グラフの緑色で示した品目 まいたけ
    • 凡例(画像)地図内グラフの黄色で示した品目 エリンギ
    • 凡例(画像)地図内グラフのオレンジ色で示した品目 なめこ
    • 凡例(画像)地図内グラフの灰色で示した品目 その他きのこ

出所 国土地理院数値地図、令和3年特用林産物生産統計調査の調査票情報を独自集計した結果をもとに上越教育大学橋本准教授作成(上越教育大学出版会「越境アプローチによる地域学習のすゝめ」より抜粋)

まいたけの生産が盛ん

  • 生産量(2022年)は、新潟県が全国1位、静岡県・福岡県に次いで長野県が全国4位、新潟・長野の両県で全国の7割を占める。
  • 新潟県内では魚沼地域の生産量が4割を占め、特に市町村別では南魚沼市が全国1位とみられる。

エリンギ・なめこの生産が盛ん

  • エリンギの生産量(2022年)は、長野県が全国1位、新潟県が全国2位、2県で全国の4分の3を占める。長野県内では北信・長野地域の生産量が3分の2、新潟県内では魚沼地域が8割を占める。
  • なめこの生産量(2022年)は、長野県が全国1位、新潟県が全国2位、2県で全国の半数近くを占める。新潟県内では十日町市と津南町でほぼ全量生産される。長野県内では北信・長野地域の生産量が3割を占める。

備考 信越県境エリアのデータは、令和3年特用林産物生産統計調査の調査票情報を独自集計した結果や、令和3・4年の特用林産物生産統計調査などから類推。

参考 しいたけの生産について

  • 生しいたけの生産量(2022年)は、全国1位の徳島県をはじめ西日本や北海道・東北に多く、新潟・長野両県の全国シェアは7%にすぎない。一方、乾しいたけの生産量は、全国1位の大分県をはじめ西日本に多く、新潟・長野両県の全国シェアは1%にすぎない。

その特徴が生まれたのはなぜ?その特徴から生まれたものは何?

きのこの因果関係図 [画像ファイル/380KB]

山がちな地形

  • 山地が多いことから、きのこと暮らしの関わりは昔から深いものであったと考えられる。

(関連ページ)01「地形」

ブナ林を中心とする植生

  • きのこの種類は、樹木の種類などによって特徴がある。当地はブナ林帯が多いことから、天然なめこぶなしめじなどが多く育つ。
  • まいたけは東日本で珍重されてきた代表的な食用きのこである。

(関連ページ)03「植生」

稲作の農閑期対策

  • かつてのきのこ生産では、優良な菌種づくりが重要であり、高度な技術と忍耐力が要求された。
  • 昔から中山間地域では、農閑期の出稼ぎに代わって現金収入を得る方法として、きのこ生産に注目。昭和30年代から発展した中野市のえのきたけ、魚沼地域のなめこなどが例に挙げられる。

(関連ページ)06「米」

研究開発・技術導入の推進力1

  • えのきたけは、1960年代に長野県でガラス瓶による人工栽培を全国に先駆けて開始。白いえのきたけの開発も日本初である。
  • ぶなしめじは、1970年代に宝酒造株式会社が人工栽培に成功し、長野県経済連との独占契約を結んだことが生産の起点となる。

  • エリンギは、2000年頃にえのきたけに代わる品目として長野県の企業が栽培技術の安定化に成功する。

研究開発・技術導入の推進力2

  • まいたけは、1980年頃新潟県の企業により栽培技術が確立。
  • なめこは、近年栽培の省力化や施設の大型化が進む。
  • いずれも、大規模工場での生産を可能とする技術開発と投資の実践により実現したものではあるが、栽培環境を緻密に調整できるベテラン職人や蓄積されたノウハウも必要とされる。

きのこ消費量の多さ

  • 家計調査(2023年)によれば、きのこの消費量は、全国の都道府県庁所在地の中で新潟市が1位、長野市が2位。様々なきのこ料理が各家庭や食品業界などで作られている。
  • きのこによる食中毒の発生件数は、新潟県が全国1位。きのこ消費の多さを表しているともいえる。

健康面への影響

  • きのこは、低カロリーでビタミンや食物繊維が豊富であり、免疫力強化やがん予防などの観点からも注目される。長野県が長寿日本一であることの背景の一つとして紹介されている。

地域文化への貢献

  • きのこ生産で大きく発展した企業による文化活動も生まれた。例えば、きのこ総合メーカー創業者のコレクションを母体とした水野美術館(長野市)は、優れた日本画を収集・展示し注目を集める。

これまでとこれからについて考えよう!

 社会の変化は、地域資源に様々な影響を与えています。担い手不足や環境変化といった課題に直面する一方で、新しい技術との融合や、これまでの価値を見直すことで、新たな可能性が生まれることもあります。

 社会の変化が地域資源にもたらすものや地域資源が今後直面する課題、あるいは地域資源が秘める新たな可能性などを考えてみましょう。

このページに関するお問い合わせ先

上越市

〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

ページの先頭へ