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06 米

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印刷用ページを表示する 掲載日:2025年11月1日更新

はじめに

 稲作は、中国の長江流域からインドやアジア各地へと広がったとされています。日本では、縄文時代後期には始まっていた可能性が高く、弥生時代以降に日本各地へ広がったとされています。これにより、人々の暮らしは狩猟・採集から農耕中心へと変化し、米は主食となったことに加え、祭祀や経済活動とも深く結び付きながら日本人にとって特別な存在であり続けてきました。

 日本各地ではより多くの米を収穫するため、新田開発や品種改良などが行われてきました。中でも1956年に新潟県で奨励品種に選定されたコシヒカリは、そのおいしさから多くの人に好まれ、日本各地に普及しました。

 米の消費量は、食の多様化などに伴い減少を続けており、米の生産は減反政策をはじめ国の規制や保護の下で進められてきました。一方、農業としての競争力強化や気候変動対策として、各地域の気候に合った品種の開発などが盛んに行われています。

米の一人当たりの消費量の推移(全国)

全国の米一人当たり消費量の推移のグラフ(画像)

出所 農林水産省「食料需給表」をもとに作成

食味ランキング特Aの産地品種数の推移(全国)

全国の食味ランキング特Aの産地品種数のグラフ(画像)

出所 日本穀物検定協会ホームページをもとに作成

米(水陸稲)の生産量(都道府県別 2023年)

2023年都道府県別米の生産量の棒グラフ 新潟県が59万トンで1位、長野県が19万トン(画像)

出所 農林水産省「令和5年産作物統計」をもとに作成

このエリアにはどんな特徴があるの?

大規模な米の生産規模

  • 水稲の作付面積(2023年)は、新潟県が全国1位、市町村別では上越市が全国4位。

  • 水稲の生産量(収穫量、2023年)は、新潟県が全国1位、市町村別では上越市が全国8位。

  • 長野県の生産量は、それほど多いわけではないが、10アール当たりの生産量(2023年)は長野県が全国1位である。

高い評価を受ける米の品質

  • 米の相対取引価格(2022年)は、新潟魚沼コシヒカリが全国1位、上越地域の米が含まれる新潟一般コシヒカリが全国6位。
  • 米の食味ランキングでは、新潟県魚沼産コシヒカリが28年連続、新潟県上越産コシヒカリが10年連続、長野県北信産コシヒカリが6年連続で特Aを取得した記録を持つ。

  • 米・食味分析鑑定コンクール国際大会では、全25回の総合部門金賞受賞者のうち信越県境エリアの受賞者が全体の2割を占める。

主な棚田の分布 信越県境エリア+α

信越県境エリアの主な棚田の分布図(画像)

備考 農林水産省が「つなぐ棚田遺産」として2022年に認定した棚田の位置を表示
出所 国土地理院数値地図および農林水産省ホームページをもとに上越教育大学橋本准教授作成(上越教育大学出版会「越境アプローチによる地域学習のすゝめ」より抜粋)

棚田や用水など優れた基盤整備の歴史

  • 農林水産省のつなぐ棚田遺産(ポスト棚田百選)では、優良な棚田として2022年に認定された全国271か所のうち、十日町市の14か所、上越市の7か所など信越県境エリアの棚田が30か所も含まれている。
  • 世界かんがい施設遺産には、上越市の上江用水が選定されている。

  • 農林水産省のため池百選には、上越市の青野池、坊ヶ池、朝日池が選定されている。

その特徴が生まれたのはなぜ?その特徴から生まれたものは何?

米の因果関係図 [画像ファイル/332KB]

地すべりや河川が作り出した土壌

  • 農機具や土木技術などが未発達の時代において、地すべりによって攪拌された土地は棚田づくりや米づくりに適していた。
  • 信濃川など河川の沖積によって形成された土地は、一般的に肥沃である。

(関連ページ)01「地形」

雪国の気候

  • 山地に積もる雪は巨大なダムの役割を果たし、少しずつ融けて米づくりに必要な豊富な水を供給する。
  • 夏の高温・多照は、稲の生育に十分な温度と日照を提供する。
  • 特に中山間地域では、昼夜の温度差が大きいことで、米のおいしさが増大する。

(関連ページ)02「気候」

用水・新田の開発

  • 江戸時代を中心とした用水や新田の開発などにより、平野での生産量が増加した。

新潟県における品種改良や栽培技術の向上

  • 品種改良や栽培技術向上の努力により、根雪や長雨、冷害など気候上の不利な点を克服した。
  • 新潟県の奨励品種に選定されたコシヒカリは、味が良い反面、病気に弱く倒れやすい品種であったが、栽培技術の向上や農家の努力などにより、病気に強い品種へ改良された。

長野県における品種改良や栽培技術の向上

  • 長野県は冷涼な地域であり、かつては米の栽培は困難だったが、品種改良や県が開発した低温時にも育苗できる栽培技術などにより、県下全域で安定した栽培が可能となった。

日本酒やみそづくりの発達

  • 米を原料とする日本酒の酒蔵数は、日本有数の規模を誇る。

  • みそは日本有数の味と生産量を誇る。上越地域では、良質の米を使った「浮き麹みそ」の評価が高い。

  • 米の生産が盛んな上越市では、かつて県内米菓工場の始まりとなる工場が立地した。

(関連ページ)11「日本酒」 13「みそ」

農機具工業の発達

  • 米の生産が盛んな上越市では、農機具の需要が高く、かつては農機具生産で日本有数の規模を誇った。

地域の行事や信仰の伝播

  • 各地で水田耕作に関連する農耕儀礼を含む行事が行われるようになった。
  • 米づくりを中心とする生活様式は、山神信仰、諏訪信仰、曹洞宗、浄土真宗などといった信仰がこの地に広まったことの一因と考えられる。

(関連ページ)18「寺社」

これまでとこれからについて考えよう!

 社会の変化は、地域資源に様々な影響を与えています。担い手不足や環境変化といった課題に直面する一方で、新しい技術との融合や、これまでの価値を見直すことで、新たな可能性が生まれることもあります。

 社会の変化が地域資源にもたらすものや地域資源が今後直面する課題、あるいは地域資源が秘める新たな可能性などを考えてみましょう。

このページに関するお問い合わせ先

上越市

〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

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