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現在地トップページ > 上越市創造行政研究所 > 20 冬のまつり

20 冬のまつり

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印刷用ページを表示する 掲載日:2025年11月1日更新

はじめに

 祭りには、全国各地に四季折々の多種多様な形態があり、このうち冬のまつりにも魅力的なものが数多くあります。

 冬の風物詩の一つに小正月行事があります。中でも「どんど焼き」や「さいの神」などと呼ばれ、しめ縄や門松、書初めなどを神社の境内や田んぼなどで燃やし、五穀豊穣や無病息災などを祈るものがよく知られています。ユネスコ無形文化遺産の一つに認定されている秋田のなまはげも、もともとはこの小正月行事の一種です。

 また、戦後に生まれた現代的な雪まつりとしては、札幌の雪まつりや横手のかまくらまつりなどが知られているほか、雪国を中心に様々な規模や形態の祭りが開催されています。

「どんど焼き」の呼び名の分布

どんど焼きの呼び名の分布図(画像)東北のあたりでは「やははいろ」、新潟・福島では「さいの神」、千葉では「あわんとり」、群馬~東京では「道祖神祭」、九州南部では「鬼火焚き」、西日本の一部では「佐義長(さぎちょう)」と呼ぶ地域もあります。

備考 上記はおおむねの傾向であり、細部においてはその他の呼び名を含めて複雑に分布する地域もある。
出所 糸魚川ジオパーク協議会ホームページ

雪まつりの数(都道府県別・2016年)

2016年都道府県別雪まつりの数 新潟県は30件で1位、長野県は6件(円グラフ・画像)

備考 雪センターの会員自治体内で開催される祭りのみ
出所 雪センター「雪まつり・雪関係のイベント」をもとに作成

このエリアにはどんな特徴があるの?

様々な呼び名を持つ道祖神祭り

  • 「ドンドヤキ」や「ドウソジン」と呼ぶ地域の多い小正月の集落行事は、多様な呼び名が存在する。例えば、上越地域では「サイノカミ」、北信地域では「ドウロクジン」と呼ぶ場合が多い。

    (さらに周辺地域では「サギチョウ」「オンベヤキ」「サンクロー」などと呼ぶ地域もある)

  • 野沢温泉村の道祖神祭りは、国指定無形民俗文化財。京都鞍馬や和歌山那智の火祭りと並んで日本三大火祭りの一つと称されることもある。

  • 飯山市の小正月行事は、107集落のうち91集落で行われており、その数の多さが特徴とされる。

その他特徴的な小正月行事

  • 糸魚川市青海の「竹のからかい」は、国指定無形民俗文化財。
  • 十日町市松之山などで行われる「むこ投げ・すみ塗り」は、新婚男性を崖下の雪原へ放り投げるユニークな行事として知られる。

  • 十日町市大白倉の「バイトウ」は、30m以上の火柱が上がる奇祭とされた(2020年をもって大がかりな祭りは最後となった)。

  • 上越市西横山の小正月行事は、写真家・濱谷浩が1956年の写真集「雪国」で世界に発信。現在も一連の行事が比較的多く残る。

現代まつりの分布

信越県境エリアの現代雪まつりの分布図(画像)

備考 雪センターの会員自治体で開催される祭り・イベントの主会場を記載
出所 国土地理院数値地図および雪センター「雪まつり・雪関係のイベント」(2016)をもとに上越教育大学橋本准教授作成(上越教育大学出版会発行「越境アプローチによる地域学習のすゝめ」より抜粋)

地域活性化を目的とした雪まつり

  • 「十日町雪まつり」は、1950年から開催。同年に始まった札幌雪まつりより2週間早く開催され、現代雪まつりの発祥とされる。

  • 翌年の1951年には「六日町雪まつり」が始まる(その後「南魚沼市雪まつり」に改称、2024年をもって廃止となる)。

  • このほか信越県境エリアでは、かまくらや雪像、雪道のローソク、気球やスカイランタン、雪合戦などを取り入れた多彩な雪まつりがある。

その他特徴的な冬のまつり

  • 十日町市の「節季市(せっきいち)」で売られる「ちんころ」は米の粉で作った人形であり、十日町市にしかない珍しいものとされる。

  • 南魚沼市の「浦佐毘沙門堂の裸押合」は、国指定無形民俗文化財。諏訪の御柱祭や秋田のなまはげと並んで日本三大奇祭の一つと称されることもある。

その特徴が生まれたのはなぜ?その特徴から生まれたものは何?

冬のまつりの因果関係図 [画像ファイル/305KB]

日本有数の豪雪地帯

  • 豪雪地帯であるため、雪を豊富に用いたり雪景色を背景とする行事を行いやすい。
  • 雪が深々と降る雪景色の中で火や灯を使用したり、裸行で行事を行う様は、その印象度をより際立たせるように感じられる。

(関連ページ)02「気候」

典型的な農村地帯

  • 稲作を中心とする典型的な農村地帯であり、自然の豊かさと厳しさを暮らしの中で実感してきた地域であるからこそ、五穀豊穣を願う思いには強いものがあったと考えられる。

(関連ページ)06「米」

きっかけとなる外部人材の存在

  • 十日町雪まつりは、当時林業試験場に勤務していた高橋喜平氏が、長野県阿南町新野の雪祭りや十日町市のほんやら洞などを参考に、雪国の冬の生活を明るくするため、「特に大人たちを雪に親しませたい」との思いから、雪の彫刻を造る祭りとして発案したもの。(高橋氏は、高床式住宅などの発案者でもある)
  • その後、周辺地域でも様々な雪まつりが誕生する。

心身の健康増進

  • 冬期間、家の中に引きこもりがちな高齢者等に対して外出機会を作ることを目的とした祭りもある。
  • これらの行事には、長期間雪に閉ざされる地域で春を待つ切なる気持ちや、日々の暮らしの中でマイナス面を感じやすい雪を前向きに捉えようとする思いも込められている。

温泉地やスキー場での開催・特産品の販売

  • 地元住民を中心に盛り上がる祭りも数多くあるが、温泉地やスキー場などで実施される祭りには来訪者へのおもてなしを意識したものが多い。
  • 日本酒や織物など、この地域にある特産品をPRする機会としても用いられる。

(関連ページ)15「温泉」16「スキー」

道祖神石像との関係性

  • 石像としての道祖神は、神奈川が発祥とされ、山梨・群馬・長野県に集中し、新潟県にも一定数存在するなど、中部日本を横断する地帯は国内随一の集積地とされる。
  • 道祖神祭りやさいの神は、道祖神のある場所で行われることが多いため双方の名前が結びついたとの説がある。

地域コミュニティの強化

  • 冬期間に限定した話ではないが、祭りの準備段階からの活動は社会教育の場として有効であるほか、地域コミュニティの人間関係や結束力を強め、地域防災力を高めることにも役立つものといえる。

交流人口の増加

  • 数十万人の入込実績を持つ十日町雪まつりをはじめ、それぞれの祭りには地域内外から多くの来訪客がある。

これまでとこれからについて考えよう!

 社会の変化は、地域資源に様々な影響を与えています。担い手不足や環境変化といった課題に直面する一方で、新しい技術との融合や、これまでの価値を見直すことで、新たな可能性が生まれることもあります。

 社会の変化が地域資源にもたらすものや地域資源が今後直面する課題、あるいは地域資源が秘める新たな可能性などを考えてみましょう。

このページに関するお問い合わせ先

上越市

〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

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