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18 寺社

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印刷用ページを表示する 掲載日:2025年11月1日更新

はじめに

 日本には、神道、仏教、キリスト教などの多種多様な宗教が普及していますが、宗教団体の数をみると神道系と仏教系が全体の9割を占めています。

 神道とは、「日本民族に固有の神・神霊についての信念に基づいて発生し、展開してきた宗教の総称」です。全国に8万を超える神道系宗教団体のうち、最も多い信仰は八幡であり、次いで伊勢、天神、稲荷、熊野などと続きますが、八幡でも全体の1割程度であり、多様な信仰が存在しています。

 仏教は6世紀半ばに日本へ伝わり、平安時代には天台宗や真言宗、鎌倉時代には浄土系の仏教(浄土宗、浄土真宗など)や日蓮宗、禅宗(臨済宗、曹洞宗など)などが成立しました。現在、全国に8万弱ある仏教系宗教団体のうち、浄土系が4割、次いで禅系が3割弱、真言系、日蓮系、天台系を合わせると全体の99%以上を占めています。

神社の信仰別割合(全国・1993年)

1993年全国神社の信仰別割合の円グラフ(画像)八幡信仰 9.9%、伊勢信仰 5.6%、天神信仰 5.0%、稲荷信仰 3.7%、熊野信仰 3.4%、諏訪信仰 3.2%、祇園信仰 2.9%、白山信仰 2.3%、その他 64.0%

出所 神社本庁「平成「祭」データ」をもとに集計・作成

諏訪信仰・白山信仰の神社数(都道府県別・1993年)

諏訪信仰、白山信仰の神社数の棒グラフ(画像) 新潟県は諏訪信仰が888社で1位、白山信仰は188社

出所 神社本庁「平成「祭」データ」をもとに集計・作成

寺院の宗派別割合(全国・1991年)

1991年全国寺院の宗派別割合の円グラフ(画像)浄土系 40.1%、禅系 27.6%、真言系 16.6%、日蓮系 9.8%、天台系 5.6%、その他 0.4%

出所 「全国寺院大鑑」をもとに集計・作成

浄土真宗・曹洞宗の寺院数(都道府県別・1991年)

浄土真宗・曹洞宗の寺院数(都道府県別・1991年)グラフ(画像) 浄土真宗 全国計 21,268寺(新潟 1,197寺、長野 208寺) 曹洞宗 全国計 14,603寺(新潟 822寺、長野 600寺)

出所 「全国寺院大鑑」をもとに集計・作成

このエリアにはどんな特徴があるの?

諏訪信仰や山神信仰などの神社が集積

  • 神社の数(2022年)は、新潟県が4,672社で全国1位。信越県境エリアにも多くの神社が集積する。

  • 諏訪信仰の神社(諏訪神社など/1993年)は、新潟県が888社で全国1位、長野県が320社で全国2位であり両県が突出している。特に上越市や妙高市で多く、両市内の神社の4分の1を占める。

  • 伊勢信仰の神社(神明社など/1993年)は、新潟県が725社で全国1位。南魚沼市・湯沢町では地域内の2割、上越市や妙高市では1割5分を占める。

  • 山神信仰の神社(十二神社・山神神社など/1993年)は、全国1,493社のうち新潟県が424社で全国1位。特に魚沼地域に集中し、十日町市・津南町では地域内の4割強を占める。

  • 白山信仰の神社(白山神社など/1993年)は、北陸・東海地方で集中的に分布し、新潟県は188社で全国4位。糸魚川市では市内の1割を超える。

備考 信仰別の神社数は、全国で20社以上ある神社名称を抽出し、その信仰を特定して集計しており、実際の数はさらに多くなる。

神社の信仰別割合 信越県境エリア

信越県境エリアの神社の信仰別棒グラフ(画像)

凡例 神社

  • 凡例(画像)グラフのうち青色で示された部分 諏訪信仰
  • 凡例(画像)グラフのうち黄色で示された部分 山神信仰
  • 凡例(画像)グラフのうち薄紫色で示された部分 伊勢信仰
  • 凡例(画像)グラフのうちピンク色で示された部分 八幡信仰
  • 凡例 白山信仰凡例(画像)グラフのうち赤色で示された部分 白山信仰
  • 凡例(画像)グラフのうちグレーで示された部分 その他

備考 ( )内の数値は各市町村の神社・寺院数
出所 神社本庁「平成「祭」データ」および各県の宗教法人名簿(2018年現在)をもとに作成

寺院の宗派別割合 信越県境エリア

信越県境エリアの寺院の宗派別割合の棒グラフ(画像)

凡例 寺院

  • 凡例(画像)グラフのうち薄紫色で示された部分 天台宗
  • 凡例(画像)グラフのうち紫色で示された部分 本山修験宗
  • 凡例(画像)グラフのうち黄色で示された部分 真言宗
  • 凡例(画像)グラフのうち青色で示された部分 浄土宗
  • 凡例(画像)グラフのうち水色で示された部分 浄土真宗
  • 凡例(画像)グラフのうち赤色で示された部分 臨済宗
  • 凡例(画像)グラフのうちピンク色で示された部分 曹洞宗
  • 凡例(画像)グラフのうちグレーで示された部分 その他

備考 ( )内の数値は各市町村の神社・寺院数 
出所 神社本庁「平成「祭」データ」および各県の宗教法人名簿(2018年現在)をもとに作成

曹洞宗や浄土真宗などの寺院が集積

  • 本山修験宗は、もともと天台系の本山派修験であり、寺院数(1991年)は新潟県が全国1位。特に魚沼地域で集中的に分布し、南魚沼市・湯沢町では地域内の寺院の3割弱を占める。

  • 曹洞宗は、天台・真言宗などの密教系が衰退した後に広まる。寺院数(1991年)は新潟県が全国3位。県内では2番目に多い宗派であり、県内の寺院の3割を占める。特に十日町市・津南町では過半数を占める。
    長野県内の曹洞宗の寺院数は全国5位。県内では最も多い宗派であり、県内の寺院の4割弱を占める。北信地域ではほぼ半数を占める。

  • 浄土真宗の寺院数(1991年)は、新潟県が全国5位。県内では最も多い宗派であり、県内の寺院の4割強を占める。特に妙高市では市内の9割以上、上越・糸魚川市では3分の2を占める。
    長野県内では4番目に多い宗派であり、県内の寺院の1割程度だが、長野・北信地域の一部では4割を占める。

  • 善光寺は、日本最古といわれる仏像を祀り、いずれの宗派にも属さず、男女平等の救済を説く寺院。江戸時代後期には、伊勢神宮や西国三十三所札所などとともに、全国から参詣者が訪れる日本有数の寺社の一つとされる。

その特徴が生まれたのはなぜ?その特徴から生まれたものは何?

寺社の因果関係図 [画像ファイル/361KB]

信仰拠点からの近さ

  • 諏訪信仰は、長野県の諏訪大社を拠点とする。主祭神タケミナカタの母は、糸魚川を拠点とした奴奈川姫である。

  • 曹洞宗は、本拠地の福井・永平寺からの伝播に加え、室町時代の一大拠点・耕雲寺(村上市)からも魚沼地域に入り、その後長野県へ広まったとされる。

  • 浄土真宗は、開祖である親鸞が上越市に配流された縁を持つ。後に布教を広めたのは、北陸を拠点とする子弟の蓮如である。

(関連ページ)05「交通」

為政者の影響力

  • 諏訪信仰は、上杉・武田両氏の争いの影響を受けて、信州から多くの人が上越地域に流入したことにより広まったとされる。
  • 浄土真宗は、一向一揆を恐れて禁止された後、上杉謙信からは好遇され、北陸や長野県からも門徒が移ってきたとされる。
  • 上杉謙信が信仰した真言宗は、謙信亡きあとに弾圧され、浄土真宗などに改宗した。

農業や山仕事を中心とする暮らし

  • 諏訪信仰は農業の守護神であり、新潟県の平野部を開墾・開田するため長野県の農民が多く移住したことで広まったとされる。
  • 山神信仰は、かつて全国的にみられたが、中山間地域などの山仕事や農業が維持され、他の信仰が流布されにくかった地域に残ったとの見方もある。

(関連ページ)06「米」

信仰同士の関係性

  • 白山信仰は、糸魚川市能生から南進し、霊山である妙高山、戸隠山へと尾根沿いに伝わった。
  • 白山信仰は、曹洞宗の開祖道元の地元神でもあり、曹洞宗発展の一因になったとされる。
  • 熊野や白山に地方の旦那衆を案内した先達は、その多くが本山派修験であり、魚沼中心に本山修験宗が集中することとの関連もうかがえる。

(関連ページ)19「霊山」

受入れやすい信仰の性質

  • 曹洞宗は、質素な宗風で僧自らが耕作するなどの特徴があり、農民や武士の気質に合ったとされる。
  • 浄土真宗は、念仏を唱えれば極楽浄土に行けるとの教えや僧侶の肉食妻帯を許容するなど、当時は画期的な宗派であった。
  • 善光寺は宗派性がなく、かつては珍しい女人救済を行うなど、すべての信仰者を受け入れた。

自治組織の始まり

  • 浄土真宗の蓮如などによる信仰集団づくりは、村々の統合を図る組織づくりや自治集団づくり、農民の結集に大きな役割を果たしたと考えられている。

祭りや各種行事の発達

  • 神社や寺院を中心とする数多くの祭りや各種行事が各地域で行われている。
  • 一例としては、浄土真宗に由来する報恩講、善光寺の御開帳や灯明まつり、祇園信仰に由来する祇園祭などが挙げられる。

(関連ページ)20「冬のまつり」

様々な産業の発達 

  • 善光寺などに全国から信仰者が集まり、一大観光地となったことにより、りんご、そば、おやき、唐辛子など様々な特産品の販売にも貢献した。
  • 全国的にみても仏壇造りが盛んになった地域は、基本的に浄土真宗の信仰が盛んであり、飯山仏壇もその所以と考えられる。

(関連ページ)07「そば」08「おやき」10「果物」

これまでとこれからについて考えよう!

 社会の変化は、地域資源に様々な影響を与えています。担い手不足や環境変化といった課題に直面する一方で、新しい技術との融合や、これまでの価値を見直すことで、新たな可能性が生まれることもあります。

 社会の変化が地域資源にもたらすものや地域資源が今後直面する課題、あるいは地域資源が秘める新たな可能性などを考えてみましょう。

このページに関するお問い合わせ先

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〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

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