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17 ニューツーリズム

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印刷用ページを表示する 掲載日:2025年11月1日更新

はじめに

 国内の旅行客数は、戦後の高度経済成長期に急増し、全国各地でレジャー施設の整備やリゾート開発などが進みましたが、その後は環境問題への懸念、バブル経済の崩壊、旅行ニーズや旅行形態の多様化などから、観光の在り様も変わりつつあります。2000年に入ってからは、産業観光やエコツーリズム、グリーンツーリズム、ヘルスツーリズムなど新たなツーリズムの振興も行われてきました。

 このうちグリーンツーリズムは、1990年代から農林水産省の呼びかけで始まり、その後全国的に普及しました。当初の宿泊場所はスキー民宿などが中心でしたが、その後は一般農家にも普及しています。

(注)スポーツ合宿は、比較的伝統のある交流形態であり、一般的にはニューツーリズムに含まれませんが、ここでは地域の自然・文化を活用し、教育・学習の要素を含んだツーリズムという観点からあわせて説明します。

グリーンツーリズムの実施集落の数(都道府県別・2020年)

2020年都道府県別グリーンツーリズムの実施集落数の棒グラフ(画像) 長野県が121集落で2位、新潟県は109集落で4位

出所 農林水産省「2020年農林業センサス」をもとに作成

森林セラピー基地の数(都道府県別・2023年)

2023年都道府県別森林セラピー基地の数(画像) 長野県は10か所で1位、新潟県は2か所

出所 森林セラピーソサエティホームページをもとに作成

このエリアにはどんな特徴があるの?

スポーツ合宿の受入れに積極的

  • 白馬村は、登山客の受入れをきっかけに民宿発祥の地とされる。

  • 飯山市戸狩では、学生の合宿地として民宿の隣接地にテニスコートや体育館などを整備。須坂市の峰の原高原などでも盛ん。

  • 信濃町や妙高市には、高地トレーニングの環境(クロスカントリーコース、競技場、急坂、宿泊施設など)が充実する。合宿の町(郷)と称され、箱根駅伝の名門校や実業団チームが訪れる。

グリーンツーリズムの先駆け

  • 実施集落数は、岩手県に次いで長野県が全国2位、新潟県が全国4位。信越県境エリアでも様々な集落が取り組んでいる。

  • 飯山市では、農村休暇法が制定された1994年から受入れを開始し、数々の表彰を受ける。

  • 十日町市と上越市で推進する越後田舎体験事業は、1998年から大都市の小・中・高等学校の団体旅行を中心に受入れを行う。地域自立活性化優良事例「総務大臣賞」など数々の表彰を受ける。

  • 子ども農山漁村交流プロジェクト(2008-09年)では、全国の先導型モデル地域16地区のうち上越市と飯山市が選定された。

森林セラピー基地・ロングトレイルの分布 信越県境エリア

信越県境エリアの森林セラピー基地、ロングトレイルの分布図(画像)

凡例
凡例(森林セラピー基地) 森林セラピー基地

ロングトレイルルート

  • 凡例 地図上に青い点線で示されたルート 信越トレイル
  • 凡例 地図上にオレンジ色の点線で示されたルート 塩の道トレイル
  • 凡例 地図上に水色の点線で示されたルート スノーカントリートレイル
  • 凡例 地図上に黄土色点線で示されたルート あまとみトレイル
  • 凡例 地図上に緑色の点線で示されたルート ぐんま県境稜線トレイル

備考 2024年3月現在
出所 国土地理院数値地図、各ロングトレイル・各市町村のホームページをもとに上越教育大学橋本准教授作成(上越教育大学出版会発行「越境アプローチによる地域学習のすゝめ」より抜粋)

森林セラピーの先駆け

  • 森林セラピー基地には、2006年に信濃町と飯山市が第1期認定を受けたほか、信越県境エリアでは木島平、山ノ内、小谷、津南、妙高を含む7市町村が認定を受けている(2023年現在、全国に64か所)。

ロングトレイルの先駆け

  • 信越トレイルは、2000年頃から構想が具体化し、2021年には全長110kmまで延伸。日本のロングトレイルの先駆けといわれる。トレイルの管理などを行う信越トレイルクラブ(飯山市)は、エコツーリズム大賞など数々の表彰を受ける。
  • 信越県境エリアには、日本ロングトレイル協会に加盟するトレイルや環境省が整備するトレイルが合わせて5か所存在し、全国トップクラスの集積地といえる。

その特徴が生まれたのはなぜ?その特徴から生まれたものは何?

ニューツーリズム因果関係図 [画像ファイル/262KB]

スキー産業の盛衰

  • スキー場の発展とともに増加した民宿においては、スキー人口の減少やグリーンシーズンの稼働率の低さといった課題を克服するため、新たな対応が求められた。

(関連ページ)16「スキー」

傾斜のきつい地形

  • 信濃町妙高市など、急勾配で一定の標高を持つ山間部は、駅伝などの高地トレーニングに適している。

(関連ページ)01「地形」

雪国特有の自然環境や産業

  • 雪に強いとされるブナ林、米づくりを中心とした農業、雪国の暮らしや文化など、グリーンツーリズムの中で活用できる素材がある。

(関連ページ)03「植生」06「米」

コーディネート組織の存在

  • グリーンツーリズムの推進に当たり、旧安塚町(現上越市)に設立された雪だるま財団(2023年解散)、飯山市に設立された信州いいやま観光局や信越トレイルクラブなどの組織が、事務局としてコーディネート機能を担った。

自然保護運動の取組

  • スキー場開発やゴルフ場などの開発計画が進む中、1990年前後からブナ林帯を有する地域の一部などで自然保護運動が起こる。バブル崩壊も相まって計画中止に追い込んだ地域(飯山市の鍋倉山、上越市桑取など)では、自然環境の保全と地域活性化の両輪を実現すべく、トレッキングコースの整備やNPO法人の設立などが行われた。

出稼ぎ労働者の減少

  • 飯山市ではグリーンシーズンの宿泊者数がスキーシーズンのそれを逆転し、出稼ぎ労働者の減少にも貢献した。

都市と農村の関係人口の増加 

  • 農山村を第2のふるさととするファンやIターン人材の増加、最近ではインバウンド(訪日外国人客)の増加にもつながっている。

首都圏からの距離感

  • 首都圏からアクセスが良いため、学生等を受け入れやすい環境がある。

(関連ページ)05「交通」

これまでとこれからについて考えよう!

 社会の変化は、地域資源に様々な影響を与えています。担い手不足や環境変化といった課題に直面する一方で、新しい技術との融合や、これまでの価値を見直すことで、新たな可能性が生まれることもあります。

 社会の変化が地域資源にもたらすものや地域資源が今後直面する課題、あるいは地域資源が秘める新たな可能性などを考えてみましょう。

このページに関するお問い合わせ先

上越市

〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

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