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10 果物

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印刷用ページを表示する 掲載日:2025年11月1日更新

はじめに

 果物の原産地は、海外に由来するものが多いものの、日本では縄文時代の遺跡から果物の種が出土するなど、古くから食されているものもあります。

 果物生産の適地は、その種類によって気候や土壌の条件が異なります。例えば、りんごは比較的冷涼な地域、もも・ぶどうは比較的少雨で水はけの良い地域、みかんは日照が多く温暖な地域で主に生産されています。

 一方、果物の栽培は剪定や害虫駆除の作業などに大きな手間を要するほか、気候の変動による影響を大きく受けます。また、果物の国内消費が20年ほど前から減少傾向にあり、輸入品の増加も相まって厳しい状況が続いています。このことから様々な品種改良や海外への輸出なども行われています。

果物の供給量の推移(全国)

全国の果物供給量の推移グラフ(画像)

出所 農林水産省「食料需給表」をもとに作成

果物の品種別生産量の推移(全国)

全国の果物の品種別生産量の推移グラフ(画像)

出所 農林水産省「作物統計」をもとに作成

りんご・もも・ぶどうの生産割合(都道府県別・2022年)

2022年都道府県別りんご、もも、ぶどうの生産割合の円グラフ(画像)

出所 農林水産省「令和4年産作物統計」をもとに作成

このエリアにはどんな特徴があるの?

りんごの生産が盛ん

  • 生産量(収穫量、2022年)は、青森県に次いで長野県が全国2位。県内では、長野市をはじめ長野・北信地域が4割を占め、青森県弘前市周辺に次いで日本有数の生産地と推察される。

  • 主な栽培品種には「ふじ」や「つがる」のほか、長野県生まれのりんご三兄弟といわれる「秋映」「シナノゴールド」「シナノスイート」などがある。

ももの生産が盛ん

  • 生産量(2022年)は、山梨県、福島県に次いで長野県が全国3位。県内では、長野市をはじめ長野・北信地域が3分の2を占めると推察される。

  • 主な栽培品種には「川中島白桃」や「あかつき」のほか、長野県が生産量日本一の「ネクタリン」、ももとネクタリンの自然交配により須坂市で生まれた「ワッサー」などもある。

市町村別の果物栽培面積 信越県境エリア

信越県境エリアの市町村別の果物栽培面積図(画像)

凡例

  • 果樹栽培面積 2020年
    凡例(果樹栽培面積2020年単位)
  • 品目
    • 凡例(画像)地図内グラフの赤色で示した品目 りんご
    • 凡例(画像)地図内グラフの薄紫色で示した品目 ぶどう
    • 凡例(画像)地図内グラフのピンク色で示した品目 もも
    • 凡例(画像)地図内グラフの黄色で示した品目 その他の果物

備考 作物統計の市町村別データは2007年以降非公開のため、農林業センサスのデータを使用。須坂市のもも、高山村のりんご・ぶどうなど秘匿情報は含まない。
出所 国土地理院数値地図、2020年農林業センサスをもとに上越教育大学橋本准教授作成(上越教育大学出版会発行「越境アプローチによる地域学習のすゝめ」より抜粋)

ぶどうの生産が盛ん

  • 生産量(2022年)は、山梨県に次いで長野県が全国2位。県内では、中野市や須坂市をはじめ長野・北信地域が4割を占め、山梨県の笛吹市・甲州市周辺に次いで日本有数の生産地と推察される。
  • 主な栽培品種には、長野県が生産量日本一の「巨峰」、須坂市が日本一の「ナガノパープル」や「シャインマスカット」、ワイン用ぶどうの「シャルドネ」や「メルロー」などがある。

備考 プルーン・ブルーベリーのデータは、令和3年産特産果樹生産動態等調査による。その他果物の信越県境エリアのデータは、令和4年産作物統計、長野・北信地域振興局資料、2020年農林業センサス(市町村別栽培面積)などから推計。

その他生産量の多い果物

  • すももの生産量(2022年)は、長野県が全国2位。主に北信地域で生産される。
  • プルーンの生産量(2021年)は、長野県が全国1位、全国シェアの半数以上を占める。主に須坂市や長野市などで生産される。

  • ブルーベリーの生産量(2021年)は、東京都に次いで長野県が全国2位。主に信濃町や長野市などで生産される。

  • くりの生産量はそれほど多くないものの、小布施町のくりは江戸時代に藩の献上品であり、天領の栗林が存在していた歴史を持つ。現在は加工品が特産である。

その特徴が生まれたのはなぜ?その特徴から生まれたものは何?

果物の因果関係図 [画像ファイル/310KB]

水はけの良い地形・地質

  • 果物の生産は、一般に水はけの良い所が適地とされる。かつての火山である高社山や飯縄山などの山麓は、扇状地が形成され、水はけが良い。
  • 千曲川流域には、古い時代の盆地の上に堆積した泥や砂礫からなる丘陵や台地、段丘、自然堤防などがあり、同様に水はけが良い。

(関連ページ)01「地形」

少雨で気温の日較差が大きい気候

  • 全国有数の少雨地帯で日照が多く、朝晩の温度差が大きい地域では、果物の糖度が高まり色付きも鮮やかになる。(標高が高すぎると、低温や霜による被害が発生する)
  • りんごは比較的冷涼な気候を好む。ただし、雪国では剪定作業が遅れるなど栽培困難とされる。

  • もも、ぶどうは、りんごに比べてより乾燥を好む。

(関連ページ)02「気候」

蚕糸業の衰退

  • 治・大正時代の長野県は、全国トップクラスの蚕糸の生産地であり、海外への輸出を積極的に行っていたが、昭和の大恐慌や戦争などを経て衰退。これに代わる産業として、桑畑の転用などにより果樹園が発達した。

(関連ページ)14「繊維」

研究開発の継続

  • 病害虫の対応、国内他産地や輸入品との競争、栽培・収穫・販売時期の棲み分け、消費者の変化する嗜好への対応など、様々な課題を抱える中、須坂市にある県の果樹試験場では、様々な新品種の開発や生産方法の改善に向けた研究開発を継続的に実施している。

りんご畑からの転換

  • 1960年以降は腐らん病による被害が頻発し、りんご畑の一部はもも畑やぶどう畑への転換が進む。
  • 中野市の一部地域では、アスパラガスやシャクヤクなどの畑作へも転換が進む。
  • 1970年代からは、稲作の生産調整により水田から転換した果樹園もある。

組合等による組織的対応

  • 戦後、果実栽培の大きな課題である労働時間の軽減や価格の安定化に向け、消毒や出荷作業などの共同化を推進した。

ワイン等加工品の生産販売

  • ぶどうを原料とするワイン、りんごを原料とするシードル、様々な果物を原料とするジャムなどの生産が進む。

(関連ページ)12「ワイン」

山岳や善光寺など観光地の発達

  • りんごは、善光寺参りの土産品として明治時代から人気がある。
  • 現在では、果物加工品も含め、登山やスキー、避暑などで訪れる観光客の土産品としても人気がある。
  • 一部の果樹農園は、観光資源として交流人口の増加にも貢献する。

(関連ページ)16「スキー」18「寺社」

これまでとこれからについて考えよう!

 社会の変化は、地域資源に様々な影響を与えています。担い手不足や環境変化といった課題に直面する一方で、新しい技術との融合や、これまでの価値を見直すことで、新たな可能性が生まれることもあります。

 社会の変化が地域資源にもたらすものや地域資源が今後直面する課題、あるいは地域資源が秘める新たな可能性などを考えてみましょう。

このページに関するお問い合わせ先

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〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

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