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07 そば

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印刷用ページを表示する 掲載日:2025年11月1日更新

はじめに

 そば(蕎麦)は、縄文時代から栽培されていたと考えられています。収穫までの日数が短く乾燥に強い特性などから、米などが収穫できない地域の救荒作物として全国各地で栽培されてきました。

 最も古い食べ方は、そば粉に熱湯を注いで作る「そばがき」といわれ、朝食や携帯食としてのそば焼餅などは、山村でよく食べられました。ざるそばやかけそばといった麺の「そば切り」が誕生したのは、戦国時代から江戸時代初期にかけてのことであり、一説では信州が誕生の地とされています。

 近年のそばの需要は横ばいで推移しており、そのうち国内産による供給量は3分の1から4分の1程度ですが微増傾向にあります。麺をはじめ、菓子や焼酎、お茶の原料などに利用されています。

そばの作付面積と生産量の推移(全国)

全国のそばの作付面積と生産量の推移の棒グラフ(画像)

備考 2006~09年の生産量(収穫量)は主産県のみの集計値
出所 農林水産省「作物統計」、北海道農政部「麦類・豆類・雑穀便覧」をもとに作成

そばの供給量の推移(全国)

全国のそばの供給量の推移の棒グラフ(画像)

備考 2006~09年の生産量(収穫量)は主産県のみの集計値
出所 財務省「貿易統計」、農林水産省「作物統計」などをもとに作成

そばの生産量(都道府県別・2022年)

2022年都道府県別そばの生産量の棒グラフ 長野県が3190トンで2位、新潟県は500トン(画像)

出所 農林水産省「令和4年産作物統計」をもとに作成 

このエリアにはどんな特徴があるの?

小麦をつなぎに使う著名なそば

  • 戸隠そば(長野市)は、岩手県のわんこそば、島根県の出雲そばと並んで日本三大そばの一つといわれる。つなぎには小麦が使われることが多い。

  • 戸隠を含む黒姫・妙高山麓は、朝霧が発生しやすい高原地帯であり、「霧下そば」と呼ばれる良質なそばを生み出してきた。

  • そばを小さな玉状にして竹ざるに盛った「ぼっち盛り」や大根との組み合わせも特徴とされる。

オヤマボクチをつなぎに使うそば

  • オヤマボクチ(山ゴボウ)の葉の繊維をつなぎに使ったそばは、北信地域に多くみられるほか、新潟県の一部にもみられる。かつては全国各地にあったが、現存するのはこの辺りだけではないかともいわれる。
  • 富倉そば(飯山市)、須賀川そば(山ノ内町)、名水火口そば(木島平村)などの中でも、特に富倉そばは、そば愛好家の間で幻のそばといわれたこともある。

そばのつなぎの主な分布 信越県境エリア

信越県境エリアのそばのつなぎの主な分布図(画像)

凡例

  • 凡例(画像)緑色の斜線で示した箇所 フノリを主に使用する地域
  • 凡例(画像)ピンク色の斜線で示した箇所 自然薯など山芋を主に使用する地域
  • 凡例(画像)紫色の斜線で示した箇所 オオヤマボクチを主に使用する地域
  • 凡例(画像)水色の斜線で示した箇所 戸隠そば(小麦を主に使用する地域)

出所 国土地理院数値地図などをもとに上越教育大学橋本准教授作成(上越教育大学出版会「越境アプローチによる地域学習のすゝめ」より抜粋)

フノリをつなぎに使うへぎそば

  • 海藻の一種であるフノリ(布海苔)をつなぎに使う「へぎそば」は、魚沼地域に多くみられる。フノリのつなぎを使うそばは、全国的にも1~2か所程度ではないかといわれる。
  • 「へぎそば」は、うすく剥いだ木で作った「へぎ」という器に、そばを一口大に丸めて盛り付けることも特徴とされる。

山芋をつなぎに使うそば

  • 魚沼・上越地域の中山間地域では、つなぎに自然薯など山芋のとろろを使用するそばが多い。

その他の特徴的なそば

  • つなぎを使わない十割そばも各地でみられる。信濃町柏原では伝統食とされる。
  • 県境にまたがる秋山郷や山ノ内町須賀川の「早蕎麦(はやそば)」は、ゆでた千切り大根に水で溶いたそば粉をからめた郷土食であり、全国的にみても珍しいとされる。

その特徴が生まれたのはなぜ?その特徴から生まれたものは何?

そばの因果関係図 [画像ファイル/279KB]

中山間地域の地質

  • そばの栽培は火山灰土でやせた土地が適している。

  • 米が多く採れない地域では、そばが大切な食糧であり、何代にもわたるそば打ちの伝統が受け継がれてきた。

(関連ページ)01「地形」

中山間地域の寒暖の差

  • 中山間地域を中心として、寒暖の差があり、霧が発生する冷涼な気候は、そば栽培に適している。

(関連ページ)02「気候」

中山間地域の植生

  • 全国的には小麦をつなぎに用いるそばが一般的だが、小麦の採れない地域では、自生する自然薯などの山芋やオヤマボクチなどをつなぎに用いた。

(関連ページ)03「植生」

信仰を目的とした旅人の増加

  • 江戸時代、街道の宿場や城下町、善光寺の門前にできた食事処では、「そば切り」が手軽な食事として提供され、旅人を通じて「しなのそば」「祢ざ免(ねざめ)そば」などとして全国へ広まった。
  • そば切りは戸隠信仰の信者に提供され、明治以降は戸隠講の発展とともに評判が広まった。

(関連ページ)18「寺社」19「霊山」

織物産業の影響

  • 魚沼地域は越後縮の産地であったため、織物で使うフノリがつなぎに使われたとされている。
  • 長野県全体は養蚕が盛んであったが、戸隠・飯縄山麓は高冷地のため麻栽培が盛んであり、その収穫後に生育期間の短い秋そばが作付され、結果としてそばの生産が多くなった。

(関連ページ)14「繊維」

観光地としての発達

  • 戸隠は、1964年の戸隠バードライン(有料道路)開通などによって観光地として定着し、そば屋も増加した。
  • そばの全国的な知名度が上がることで、そば自体が訪問の目的となり、観光客の更なる増加につながった側面もある。

そばを用いた商品開発

  • そば饅頭、そば落雁、そば焼酎、そば茶、そば殻枕などの生産や洋風料理への応用など、そばを用いた様々な商品開発が行われ、多彩なそば文化の発展につながっている。

健康への貢献

  • 近年の研究では、そばにルチンをはじめ様々な成分が含まれることがわかり、健康的な食品として再評価を受けるようになった。
  • そばの産地である長野県は長寿県として有名であり、長寿を支える食の一つとしてそばを挙げている。

これまでとこれからについて考えよう!

 社会の変化は、地域資源に様々な影響を与えています。担い手不足や環境変化といった課題に直面する一方で、新しい技術との融合や、これまでの価値を見直すことで、新たな可能性が生まれることもあります。

 社会の変化が地域資源にもたらすものや地域資源が今後直面する課題、あるいは地域資源が秘める新たな可能性などを考えてみましょう。

このページに関するお問い合わせ先

上越市

〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

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